2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560342
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
葛 崎偉 山口大学, 教育学部, 教授 (30263750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 稔 山口大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40112023)
山口 真悟 山口大学, 大学院理工学研究科, 助手 (00294653)
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Keywords | 公開鍵暗合 / 多段的暗合方式 / ペトリネット / 初等T-invariant / ハッシュ関数 / 逆ハッシュ関数 / NP-困難 |
Research Abstract |
本研究では,実用に耐えうる強度を備えた公開鍵暗号MEPKCの開発を目指している.MEPKCは多段的暗号を行うペトリネットに基づいた公開鍵暗号システムであり,従来の公開鍵暗号とは異なり,鍵生成器を公開する.鍵生成器は複数の暗号化鍵を生成し,これらの鍵を用いて平文を暗号文に多段的に暗号化する.鍵生成器は,ペトリネットを用い,その初等T-invariantを暗号化鍵とする.鍵生成器としてのペトリネットは,膨大な数の初等T-invariantもつ必要があり,またすべての初等T-invariantを計算で簡単に求めることができないように作られなければならない. 平成18年度において,線形計画法による初等T-invariantの計算法およびその実用性について考察した.まずは,鍵生成器であるペトリネットの接続行列から直ちに初等T-invariantを求める変わりに,線形計画法を用いて初等T-invariantの近似解を求める.得られた近似解(ベクトル)に対し,要素が0に対応した行列の列を削除して,行列をより小さいものにする.さらに,サイズの小さい行列に対し,ガウス消去法で初等T-invariantを求めることを考案した.コンピュータ実験の結果,初等T-invariantをすべて正確に求めることはできないものの,計算効率や正確率等では,大規模な行列から直ちに初等T-invariantを求めるよりは良いとのことが分かった.また,暗号の強度に関連して,ネット理論を用いて,並列処理システムやワークフローネット等における幾つかの問題の計算複雑さについて考察し,その近似解法および計算量について解析を行った.
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