2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス高度情報通信のための電波伝搬予測に関する研究
Project/Area Number |
17560349
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
白井 宏 中央大学, 理工学部, 教授 (00196594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 光則 中央大学, 理工学部, 教授 (90238890)
佐藤 亮一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (00293184)
|
Keywords | 移動体通信 / 電波伝搬 / 可視化 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、電波伝搬の効率のよい予測法について検討を行った。送信点から光線を射出し、その光線の伝搬経路を追跡していくSBR法を用いて解析した結果を実験値や別シミュレーション解析法の結果と比較して、よく一致することを確認している。 通常使用する電波の周波数が高くなり、波長が短くなると、射出する光線の数を多くするために、解析に時間がかかるようになる。また二波以上の光線の干渉の様子を正確に表現するには、光線が通過したとみなす受信サンプル球を小さくとる必要がある。今年度は60GHzのミリ波帯の電波の室内伝搬シミュレーションを行い、測定結果との比較を行いながら、どのくらいの受信サンプル球の大きさが必要か検討した。また解析計算速度をさらに早くするために、アルゴリズムの改良を行い、SBR法に一部映像法的な手法を組み合わせて正確な受信点における電波の強度を推定する方法を考案し、解析速度が大幅に縮小できることを確認している。 室内の電波伝搬の解析においては、室内壁の電波透過の効率のよい解析が必要となる。通常の室内壁は損失誘電体として扱う必要があるが、損失誘電体内の電波の伝搬をどのように扱うかの検討を行った。損失媒質内への電波の入射は、通常複素入射角を用いて表現するため、SBR法を適用しようとすると、複素空間内を伝搬することになり、取り扱いが複雑になる。そこで、実空間でのレイトレースをするときの伝搬経路をどのように扱うと精度のよい結果が得られるか検討した。 解析精度をさらに上げるためには、回折波の寄与を考慮する必要がある。こうした回折波をSBR法に組み込むためのアルゴリズムの開発を開始した。
|
Research Products
(8 results)