2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560358
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
阿部 茂 埼玉大学, 工学部, 教授 (70375583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 裕良 埼玉大学, 工学部, 講師 (10233892)
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Keywords | エレベータ / 避難 / 火災 / シミュレーション / 電源 / 身障者 / 輸送能力 / 車椅子 |
Research Abstract |
1.「避難救出運転方式」とその輸送能力計算方式の開発 一般のエレベータに対策が施され火災時避難運転が可能になったと仮定した場合、非常階段だけの避難に比べて避難時間をどこまで短縮できるかを検討した。エレベータの運転方式は、ビルの途中階に決めた避難時乗車階と玄関階との間をピストン運転する輸送能力の高い方式とした。ビル居住者の避難方法は、避難時乗車階より上階の人は階段で避難時乗車階まで下り、そこでエレベータに乗車し玄関階から脱出する、また避難時乗車階より下階の人は階段で玄関階に下り脱出する方法とした。階段とエレベータの輸送能力を式で表し最適な避難時乗車階や最短避難時間を求める方法を示した。この解析的手法とシミュレーションによる検討の結果、11〜16階のモデルビルでは、最適な避難時乗車階はビル人口によって変化し、人口が増加すると丁度中間の階に近づくこと、避難時間は階段だけの避難に比べ約半分の10分程度に短縮できることが分かった。 2.停電時にも運転可能な避難用エレベータの電源と運転方式の研究 避難用エレベータを実現するには停電になっても運転可能なエレベータが必要となる。超高層ビルでは非常電源を備えた非常用エレベータは設置されているが、台数は1、2台である。ビルの非常用電源は容量が小さくエレベータを1台ずつしか動かせない。火災時に全エレベータを運転できる容量の非常用電源を備えることは経済性、設置スペースの点で困難である。しかし避難時は下方交通であるため、エレベータは主に電力回生運転となる。従って小容量の電力回生装置を備えた電源を用意すれば、停電時でも30分程度の避難運転が可能となる。この方式の実現可能性を検討し、運転方式を工夫すれば実現可能であることを示した。避難運転時の電力計算法、蓄電装置の容量を小さくする運転方式を明らかにし、電力計算シミュレーションプログラムを開発した。 3.避難用エレベータの乗場における車椅子利用身障者の画像認識の研究 避難時は身障者を適切に避難させる必要がある。避難のためにエレベータの乗場に到着した車椅子利用の身障者を自動認識できれば、避難誘導やエレベータの避難運転に役立つ。そこでエレベータの乗場における車椅子利用身障者の画像認識の研究を開始し、健常者と車椅子の識別アルゴリズムを検討した。
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Research Products
(3 results)