2005 Fiscal Year Annual Research Report
分散最適化とマルチエージェントを融合させた都市エネルギー有効利用システム統合評価
Project/Area Number |
17560362
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
森 俊介 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 教授 (80147503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 拓 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70256668)
森本 慎一郎 東京理科大学, 理工学部, 助手 (90385518)
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Keywords | 分散エネルギー / 最適化モデル / マルチエージェント / コジェネレーションシステム / 民生部門 |
Research Abstract |
平成17年度は,地域分散エネルギーのシステムモデルの構築を2つの角度から行った。 マルチエージェントベースの最適化システムでは、発電事業者,供給事業者,需要家(一般需要家およびコジェネレーションシステムによる自家発需要家)によって構成された電力取引市場に対して,市場価格などの変動の解析をマルチエージェントシミュレーションによって行った.なお,市場モデルの簡単化のため,発電事業者エージェントと供給事業者エージェントとは,全て電力取引市場を通して電力の売買を行うものとし,相対取引は行わないものとした.需要家エージェントは,ある特定の供給事業者エージェントから電力を購入するものとし,さらに,自家発需要家エージェントにおいて余剰電力が生じた場合は,ある特定の発電事業者エージェントに全て託送できるものとした.発電事業者エージェントおよび供給事業者エージェントは自分の利益を最大化することを目標として行動し,自らの行動を強化学習の代表的なアルゴリズムであるActor-Criticによって学習することとした.需要家エージェントはエネルギーコストを最小化することを目的としたエネルギーシステム最適化モデルを有することとした.そして,発電事業者エージェント3社,供給事業者エージェント3社の参加する市場に対してシミュレーション実験を行った.その結果,市場価格が収束する様子および,供給事業者からの買電量,コジェネレーションシステムによる発電量の収束する様子を明らかにした.なお,この成果は,電気学会電子・情報・システム部門大会にて発表した. 次に、地域分散エネルギーシステムは機器の特性や地域の需要パターンに強く依存することに鑑み、本研究においては、システム機器の部分負荷特性や経済性の制約等を非線形混合整数計画モデルで表現しモデル構築を行い、現実的な機器特性や経済性の範囲での最適設備導入・運用計画を導出することを目的とした。さらに、気候特性を考慮した最適なシステムを導出するために、最適化システムの中で利用できる街区・業務建物エネルギー負荷推計モデルを構築し、各都市の気象条件を踏まえた最適な空調システムの導出手法の検討を行った。さらに同モデルを用いて、都市街区における分散エネルギーネットワークによる省エネルギー可能性の評価を行った。このモデルを用い国内の主要8都市における最適空調機器の構成を求め,地域によってCGSとHPの優位性が変化することを導いた。また外気温の影響やHPのCOPに対する感度を求め,業務建物における最適な空調機器の計画・運用において,機器部分負荷特性や地域特性の関係を明らかにすることができた。
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Research Products
(3 results)