2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560372
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
作田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70221273)
|
Keywords | SQUID / 磁気雑音 / 動的雑音制御 / 位相制御 |
Research Abstract |
超高感度磁気センサであるSQUIDマグネットメータを磁気シールド外で使用するには、測定対象以外からの磁気雑音、例えば地磁気、交通機関、商用電源さらに各種放送などのいわゆる環境磁気雑音と呼ばれる雑音対策が必須である。今年度は、動的雑音制御(ANC)による雑音対策として、ANC回路の検討を行った。周波数帯域として、数百Hz以下とMHz帯の2つ帯域についてそれぞれ検討した。 低周波領域では、SQUIDマグネットメータからの出力を位相反転し補償コイルを介して、SQUID周辺に逆位相の磁場を生成する、いわゆる負帰還ループ構成を用いて、SQUIDがさらされる磁界強度の低減を図った。ただし、全ての磁場を打ち消すと測定信号まで、消失してしまうため、帰還する信号を選択する必要がある。そこで、数百Hzの特定の信号のみを検出する場合を想定した。周波数選択としてLPFを用い、低周波域をANCにより押さえることを試みた。その結果、従来振動による磁場揺らぎのため困難であったSQUIDのロボットアームによる移動測定が実現できた。ただし、LPFの遮断特性を最適に選ばなければ、発振が生じたり、有効に雑音磁場を抑制できなかったり、あるいは信号磁場まで低減させることが明らかとなった。 一方、MHz帯の雑音制御について、環境雑音としてAMラジオ放送があり、この抑制が微小信号検出において重要である。今年度は、良好な制御のため特に位相制御に重点を置いたアナログ回路を作製した。参照用コイルアンテナから受信信号を元に、ANC回路により、位相、強度を変化させて、補償用コイルアンテナから補償信号を放射し、所定の位置での雑音を打ち消す。この機構により、実験室レベルで-40dB以上、実際のAMラジオ波においても、-35dB以上の雑音の低減が図れた。
|
Research Products
(2 results)