2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560372
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
作田 健 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教授 (70221273)
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Keywords | 動的雑音制御 / 電磁波雑音 / FPGA / ディジタル信号処理 |
Research Abstract |
超高感度センサにより微小信号をシールドなしで計測するためには、測定対象以外からの雑音、例えば地磁気、交通機関、商用電源さらに各種放送などの、いわゆる環境雑音と呼ばれる雑音対策が必須である。昨年度の研究によって、MHz帯でも逆位相波の信号により、雑音を抑制できることを確認した。しかしながら、その調整はマニュアルによるプリセットによるもので、雑音源の変動に対して自動追従ができていなかった。平成18年度は、動的雑音制御(ANC)による雑音対策として、MHz帯のAMラジオ放送電波を対象として、ディジタル信号処理化の可否検討を行った。ディジタル信号処理が可能になれば、自動追従機能の実装が容易になり、実用化に向けて大きく前進することになる。そのために確認すべきことは、MHzという周波数帯において、ディジタル信号処理が速度的に可能かどうか、さらに、正しくキャンセル信号を生成できるかである。 高速演算を必要とするため、今回は汎用のディジタル信号処理プロセッサ(DSP)ではなく、専用の回路設計情報を書き込むField Programmable Gate Array(FPGA)を用いた。A/Dコンバータ、FPGA、D/Aコンバータにより構成し、FPGA上には、適応フィルタを組み込んだ逆位相波生成回路を組み込んだ。参照用コイルアンテナと受信用アンテナからの信号を元に、適応フィルタにより内部パラメータを自動更新し、常に適切な逆位相波を生成しようと動作する。生成された逆位相波は、補償用コイルアンテナから照射され、所定の位置(受信用アンテナ設置場所)での雑音を打ち消す。この機構により、雑音源アンテナから放射された1MHz擬似雑音を、約40dB程度抑制することができた。このとき、受信アンテナにのみ入力されて信号は、ほとんど減衰することがなかった。
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Research Products
(2 results)