2005 Fiscal Year Annual Research Report
波動場の時空間勾配解析を階層的に実現する一体型プローブの開発
Project/Area Number |
17560375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
寺本 顕武 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70207489)
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Keywords | 時空間勾配解析 / 音響計測 / ブラインド分離 |
Research Abstract |
[研究の目的] 波動場の時空間勾配解析に基づき,観測点とその近傍での音圧の空間勾配,また時間勾配を検出し,波面の進行速度ベクトルおよび波源の自律的な分離を階層的に実現する一体型プローブを開発する. [研究実績の概要] 実現の容易さの観点から,対象としている帯域を数MHzから可聴帯域に低下させ,研究を遂行した.その結果2005年度では「粒子速度計測に基づく時空間勾配解析ブラインド信号分離法」を提案することができた.提案手法の特徴は次のように集約される.(1)音場を支配する波動方程式により,観測点における音圧の空間勾配が源信号の音圧の時間勾配の瞬時線形混合和で表されること,さらに粒子の運動を規定する運動方程式に基づき,両辺を時間で積分することにより,観測点における直交する粒子速度成分が,それぞれ源信号の音圧の瞬時線形混合和で表されることを利用している.(2)従来のコンボリューション型のブランド信号分離問題を,最も簡単な瞬時線形混合型ブラインド信号分離問題に帰着させた.(3)分離と同時に,波面の到来方向を推定する. [従来のものとの差異] 従来の音声信号のブラインド信号分離法では,観測信号がコンボリューション型の混合信号と仮定されたものがほとんどであった,そのため,観測信号を狭帯域信号に分割し,帯域ごとに瞬時混合型のブラインド信号分離を行い,再構成する分離手法が提案されてきた.ところが,従来の手法は,矛盾なく再構成するためには,適切な仮定を設定しなければならず分離を実現するまでの過程が複雑であった.これに対し提案手法では全帯域にわたって同時に分離を実施できるので上記のような仮定も演算も必要としない.
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Research Products
(4 results)