2005 Fiscal Year Annual Research Report
非線形特性を活かしたモデル表現に基づく非線形制御系の解析・設計法
Project/Area Number |
17560393
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 光代 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任助教授 (70201259)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 純 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (50243986)
|
Keywords | 非線形システム / モデル表現 / 安定解析 / ディスクリプタ方程式 / ルーリエ系 / 絶対安定性 |
Research Abstract |
非線形システムに対する特性解析や制御則設計において,非線形特性の形を保存したモデル表現の検討と,そのモデル表現に基づく解析・設計法の提案と検証を目的とし,以下の成果を得た. 1.一般系に対する安定論(基礎定理の導出・検討) 非線形ディスクリプタ方程式は,非線形特性をそのまま表現でき,かつ,静的拘束条件などを動的要素と共に記述できるという特徴を有するから,これをモデル表現として採用した.まず,非線形ディスクリプタ方程式の解の存在性において,既存の結果では非線形関数に十分ななめらかさが仮定されていたが,本研究では実用的見地からこれを廃し,連続性のみの仮定で解の存在条件を導出した.そして,補助関数を2つ導入することでリアプノフの方法に基づく安定解析法を提案した.その際,非線形要素の形を崩さず複雑な計算を要しない条件,すなわち,変数変換や逆関数を用いず,代数方程式の解も不要な条件を導いた. 2.ルーリエ系の絶対安定条件 線形動的システム部と静的非線形要素からなるフィードバック制御系であるルーリエ系において,線形部に直達項のある場合には,静的なループが存在し,ディスクリプタ方程式でモデル表現される.このようなルーリエ系へ上記の基礎定理を適用し,絶対安定条件を線形行列不等式(LMI)で得た.得られた条件は,数値計算によって容易に調べることができるものである. 3.実システムへの適用を意識した解析 非線形特性を活かしたモデル表現として,実システムへの適用を意識すると,空間変数も導入した分布定数系も考慮すべきである.そこで,熱反応炉を制御対象として,制御則設計用モデルの構築をめざし,現在も検討中である. 以上の成果の一部は既に口頭発表済みであるが,現在,いずれも論文投稿中である.
|
Research Products
(1 results)