2008 Fiscal Year Annual Research Report
対称性を持つ勾配的Morse-Smale制御系の設計・解析支援ツールの開発
Project/Area Number |
17560404
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
榎本 隆二 Toba National College of Maritime Technology, 制御情報工学科, 准教授 (90203645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出江 幸重 鳥羽商船高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (80280402)
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Keywords | 非線形制御 / 大域非線形制御 / 大域漸近安定化 / 勾配的Morse-Smale制御系 / CW複体 / コンパクトアトラクタ / Conley指数理論 / Morseホモロジー |
Research Abstract |
指定された内部構造をもつ大域コンパクトアトラクタをフィードバックによって出現させる問題を大域実現問題という。勾配的Morse-Smale制御系の理論は閉ループ系が勾配的なMorse-Smale力学系である場合に限定した上でこの大域実現問題を解くことを目的とする。本研究課題は、制御系の位相幾何学的な対称性を考慮した上で、このような勾配的Morse-Smale制御系の設計と解析を支援するソフトウエア・ツール群を開発するものである。本研究課題は,(A)大域コンパクトアトラクタの内部構造を指定すること,および(B)大域実現問題の解法アルゴリズムを示すことに大別できる.開発するツール群は(A)および(B)の双方に関連している。(B)の解法アルゴリズムには,この課題の計画段階においても次の3種類の異なるアプローチが知られていた。すなわち、(1)システムの対称性を用いる方法、(2)制御軌道の逆問題を解く方法および(3)制御Lyapunov関数(あるいは、随伴Morse-Smale関数)の方法である。最終年度である本年度では、これまで開発してきたソフトウエア・ツール群を公開可能な品質に高めるとともに、(B)の(1)の方法をさらに洗練させるための検討を実施した。前者については、動作確認のための例題の種類を増やして不具合箇所の特定と改造を実施した。後者について、状態方程式の零点集合について得られるグレブナー基底を制御則のモデル式に組み込む方法が有望であることが判明した。また、(3)の方法に関連して、随伴Morse-Smale関数の等位面群の構成法と逆Morse再構成とよぶ位相幾何学的手法との関係を明らかにした。これが制御Lyapunov関数となる条件は、単一入力の系においてはある位相幾何学的条件に帰着することが判明した。これは、システムの対称性を考慮しない更に一般的な制御系の設計法を構築する上で極めて有用な結果であると考える。
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Research Products
(9 results)