2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート劣化の定量化による耐久性評価手法の開発研究
Project/Area Number |
17560412
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
武田 三弘 東北学院大学, 工学部, 助教授 (10265184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 浩司 東北学院大学, 工学部, 教授 (10048803)
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Keywords | X線造影撮影 / コンクリート強度推定 / 劣化の定量化 / 透過線変化量 / 凍結融解抵抗性 |
Research Abstract |
本研究は,X線造影撮影によりコンクリート内部に発生している空隙,マイクロクラックおよび初期欠陥等を検出することによって,コンクリート強度の推定,コンクリート劣化の数値化および凍結融解抵抗性の判定を目的として行ったものである.コンクリート強度の推定実験では,強度の推定を行うために,水セメント比の異なる数種類のコンクリート供試体を作製し,X線造影撮影によって得られた透過線量と圧縮強度との関係を求めた.この実験では,コンクリート以外にモルタル,Non-AEコンクリートを用いた実験も行った.実験の結果,配合が異なることによる密実性の違いや初期欠陥の発生によってX線透過線量(透過線変化量)に差が生じることが分かった.また,透過線変化量と圧縮強度との間には良い相関関係がみられたことから,空気量や骨材量の違いが強度と透過線変化量の関係に与える影響におけるデータを加えることによって,本実験手法によるモルタルおよび各種コンクリートの強度推定が可能になると考えられる.コンクリート劣化の数値化および凍結融解抵抗性の判定実験では,凍結融解試験によって劣化の程度を変えたAEコンクリート供試体に対してX線造影撮影を行い,検出されたひび割れの数値化方法や,その数値化された値と相対動弾性係数との関係を求めた.また,強度の異なるモルタルや各種コンクリート供試体および劣化を受けたコンクリート供試体に対してX線造影撮影を行い,数値化された空隙量やマイクロクラックの値と凍結融解作用による質量減少率との関係を求めた.実験の結果,劣化度が大きくなるにつれて,造影剤浸透前後における透過線変化量が大きくなる傾向がみられ,透過線変化量と相対動弾性係数との間には良好な関係がみられた。この結果より,透過線変化量を調べることによって,劣化作用を受けたコンクリートの劣化の数値化および凍結融解抵抗性の判定が可能であると考えられる.
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Research Products
(5 results)