2006 Fiscal Year Annual Research Report
掘削影響領域における水-応力連成挙動の解明と解析手法の開発
Project/Area Number |
17560427
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
吉田 秀典 香川大学, 工学部, 教授 (80265470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 純哉 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (70312973)
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Keywords | 掘削損傷領域 / 透水層の形成 / 廃棄物の地層処分 / 水-応力連成現象 / 岩盤 / 不連続面 / クリープ |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物の処分に関しては,長期間,廃棄物中の放射性物質が人聞とその生活環境に影響をおよばないことが必要最小限の要求であることから,いくつかの処分方法の中でも,深地層を利用した地層処分が有力視されている.しかしながら,処分坑道周辺岩盤の長期的挙動やそれに伴って変化する水理特性を室内試験やナチュラルアナログ的な研究から推定することは難しいため,複雑かつ長期に亘る岩盤挙動を精度良く表現するためには,普遍的な状況を再現しうるメカニズム立脚型の解析モデルが不可欠である.そこで本研究では,岩盤の長期変形,とりわけ不連続面の変形とそれに伴って変化する水理特性に着目した. 今年度は 1.亀裂を有しない供試体に対する静的平面ひずみ試験(一部,同時に透水試験) 2.亀裂を有する供試体に対する静的平面ひずみ同時透水試験 3.亀裂を有しない供試体に対する平面ひずみクリープ同時透水試験 4.亀裂を有する供試体に対する平面ひずみクリープ同時透水試験 という4つを軸に試験を実施した.その結果,以下のような知見を得た. ・本供試体には,変形および亀裂内浸透流について拘束圧依存性がある. ・蛍光染料を用いた透水試験より,亀裂を有しない供試体では,載荷にともなって発生する亀裂に,亀裂を有する供試体では,載荷にともなって変形する亀裂に流動が卓越することが判明した. ・亀裂を有しない供試体でもかなりクリープ変形を呈するが,透水性の変化がないことが判明した.亀裂を有する供試体もクリープ変形を呈するが,そのほとんどは供試体の基質部分による変形で,亀裂そのもののクリープ変形は小さいことが予想された.しかしながら,亀裂を有する供試体では時間とともに透水性が増大したことから,透水特性を支配しているのは亀裂のクリープと考えられる. 最終的に,これらの知見を反映させた数値解析モデルを構築し,実験との比較を行った.
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Research Products
(6 results)