2006 Fiscal Year Annual Research Report
地盤震動解析に用いる表層地盤の減衰パラメータ設定における指標の構築
Project/Area Number |
17560437
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
辻原 治 和歌山工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (50188546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 勉 徳島大学, 工学部, 教授 (20035645)
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Keywords | 表層地盤 / 同定 / 減衰 / 地盤震動 |
Research Abstract |
1)地盤の減衰を表すQ値の周波数依存性を同定するためには、本来周波数点ごとの値を推定するのがよい。しかし、ノイズなどの問題があり、このような方法はあまり採用されない。本研究では、Q値の感度を利用し、感度の低い周波数帯については、設定した範囲の外に掃き出してしまうことで、周波数点ごとの同定を可能にするスイープ法を開発した。これは、S波速度が適切に同定されているにもかかわらず、Q値の感度の低い周波数点で観測記録のフーリエスペクトルと解析モデルのそれに残差がある場合、感度が極端に小さいため、Q値が更新されても残差にほとんど変化がなく、繰り返し計算の後、Q値は設定された範囲を超えてしまうという考えに基づいている。このような作業をそれぞれの周波数点について行えぱ、設定された範囲内で推定されたQ値は信頼度が高いと考えられる。 2)KiK-netは全国の合計六百数十の観測点で構成されている。ボアホールのボトムと地表の地震動の同時観測記録をWebからダウンロードして用いることができる。しかし、それらデータを地盤同定に用いる際、データの読み込み、埋設方位ずれの補正、震央直角方向成分の合成、地盤データの読み込み等、前もって準備することが多くある。また、初期値の設定の仕方も重要でありそのための工夫も必要となる。これらの準備は煩雑であり、種々の条件で多くの解析を行う妨げになる。そこで、一連の作業をExcel Macroを用いてシステム化し、簡単な操作ですべての計算がなされるようなシステムを構築した。 3)上記1)および2)で述べた地盤同定システムを、複数の地震による地盤震動記録が得られているいくつかのKiK-net観測点に適用した。異なった地震を用いた同一地点の地盤の減衰パラメータを同定し比較したところ、矛盾のない結果が得られ、また明確なQ値の周波数依存性が確認できるサイトも多くあることがわかった。
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Research Products
(7 results)