2005 Fiscal Year Annual Research Report
浸水に伴う体積変化を考慮した不飽和土の強度評価に関する研究
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17560449
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
宇野 尚雄 広島工業大学, 工学部, 教授 (70021582)
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Keywords | 不飽和土 / 浸水時挙動 / シルト質土 / 間隙圧 / コラプス / 降伏曲面 / 応力経路 / 体積変化 |
Research Abstract |
不飽和な土質が浸水を受けたときの強度評価は,対象土構造物に関して圧縮時の排気・排水条件設定法に課題が残っているため,「等体積せん断試験」を奨める堤防設計ケースがあるが,確立されていない。 本研究は,サクション効果が大きくないシルトや砂を対象として,(1)「非浸水」と「浸水」の各土試料の強度評価法,(2)浸水過程で状態変化に伴う強度変化評価法,について研究する目的である。 第一に,既往の室内せん断試験データ等を再整理してコラプスに伴う間隙圧を推定する一方,間隙圧(空気圧と水圧)が計測できる圧密試験を実施して,コラプス発生時の間隙圧の発生・消散を確認する。第二に,リングせん断試験中のコラプスと間隙圧の発生消散を計測するために,既往のリングせん断装置に間隙圧計測部を付加する改造や成層の緩い砂質土層の体積変化(コラプス)と間隙圧も計測する実験を行う計画とした。成果概要は次のようである。 1.浸水に伴う強度低下の原因は間隙水圧の発生ではなく「平均主応力〜主応力差〜間隙比」(p〜q〜e)関係の応力経路の消散・再現過程のずれに起因する模様であると推定されるに至った. (根拠)1)せん断試験データの分析(「歪み制御」リングせん断試験と「応力制御」試験の結果を比較した結果,浸水時の土構造は崩壊により一時的に強度低下するが歪の増大にっれて強度が回復する),2)不飽和土試料の圧密試験中の浸水過程における間隙水圧は,不正確であるが,計測した結果微小な圧力であることが判明。3)水槽に充填した「弱部が水平な地層で接する土層弱部」への浸水コラプス時における発生間隙水圧は微小であった. 2.リングせん断試験機の改造に基づく「浸水時の有効応力経路」の推定的検討 1)リングせん断試験機の改造は,間隙圧計測を可能にする改造が上記1.の結果により期待薄く中止して,応力制御システムの不調部分の改造に変更した。 2)浸水時の有効応力経路降伏曲面を移動する経路を解明する検討 斜面模型に対する有限要素法解析により,有効応力経路降伏曲面を移動する経路設定による出水時の斜面変形解析プログラムを作成して,次年度に強度評価法の指針究明に活用する。
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Research Products
(3 results)