2006 Fiscal Year Annual Research Report
海岸・河川を一貫した広域流砂系内の土砂移動機構の解明および海岸侵食への影影予測
Project/Area Number |
17560455
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
由比 政年 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20262553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 文彦 熊本大学, 自然科学研究科, 助教授 (60264280)
楳田 真也 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (30313688)
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Keywords | 土木環境システム / 水工水理学 / 環境変動 / 水圏現象 / 国土保全 |
Research Abstract |
石川県手取川とその周辺海岸を対象とし,下記の検討を実施した. 1.過去に流砂系に加えられた特徴的インパクトに対する海浜地形応答の解析 河川から海域に供給される流出土砂の動態に顕著な影響を及ぼしてきた項目として,河川砂利採取,多目的ダムの建設,砂防ダムの建設を取り上げ,河口周辺の海浜地形の応答特性を,長期・中期・短期変動のそれぞれについて解析した.40年以上にわたる長期トレンドとして,顕著な侵食傾向が確認され,土砂移動の上流域に加えられた人為的インパクトにより,侵食速度が加速した過程が示された.10年程度の中期的時間スケールを有する砂州の周期変動では,砂州移動の沖側移動範囲が侵食に伴って縮小する傾向が確認された.また,出水による一時的な回復が多目的ダムの建設以降,その頻度・強度ともに減少していることが示された. 2.海岸・河川観測データに対する統計解析に基づく広域土砂収支の検討 山岳(砂防)域,河川域・沿岸域を対象としたマクロな土砂収支解析を実施し,人為的インパクトの影響を検討した.特に,1960年代半ば,および,1970年代半ばに活発に実施された河川砂利採取が,河床および海岸土砂量に,直接的・間接的に,きわめて大きな影響を及ぼしてきたことが示された. 3.侵食性海岸における海浜地形変動に対する効果的な統計解析法の開発 昨年度実施した実数型経験的固有関数法(EOF)による解析をさらに発展させ,移動平均に基づく前処理付きのEOF解析法を提示した.解析結果は,長期変動・中期変動の基本モードの変動特性を良く捉えており,本手法の有効性が確認された. 4.侵食性海岸における沿岸砂州の長期変動特性の解析 石川海岸で大規模に発達している沿岸砂州の変動を長期観測データに基づいて解析し,基本特性を明らかにするとともに,海岸構造物の建造や,土砂量の減少による影響を示した.
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Research Products
(5 results)