2005 Fiscal Year Annual Research Report
高水敷掘削型わんどおよび中水敷の水理特性と地形変化機構に関する研究
Project/Area Number |
17560456
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨永 晃宏 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60135530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 理子 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (30304645)
庄 建冶朗 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (40283478)
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Keywords | わんど / 複断面 / 中水敷 / 渦構造 / 土砂堆積 / 浮遊砂 / 3次元流れ構造 / PIV |
Research Abstract |
複断面河道の高水敷を掘削して作られるわんど内の流れ構造と砂堆積について,わんどの形状と中水敷の底面比高に着目して実験的に検討した.まずPIVを用いた実験から流れ構造を調べた.高水敷わんど部では,低水路流れによって高水敷凹部内で鉛直渦が発生する.高水敷の越流がない場合,鉛直渦はわんど全体に及ぶ1つの渦を形成し,中水敷高さを変化させても渦構造自体は2次元的でほとんど変化しない.高水敷を越流する流れが発生すると,わんどを越流する流れによってわんど内にはく離に伴う横断渦が形成される.この渦と先述の鉛直渦の2つの渦構造は相互作用し合って3次元的な流れ場を形成する.横断渦はわんどの掘り下げ深さの増大によって流下方向スケールが増大する.このことがわんど全体の3次元構造に変化をもたらし,土砂堆積量および形状を変化させている.わんど形状が台形の場合は,斜め段落ち部において斜め方向の横断渦が発生する.この渦の流れ方向スケールは長方形の場合よりも小さく,また下流の斜め段上がりによって低水路方向の流出が誘発されることから長方形とは異なる流れ構造を示す.土砂堆積実験について,掃流砂が卓越する場合,わんど部の中水敷高さが高いほど砂の流出が大きくなり堆積量は減少した.浮遊砂が卓越する流れでは,高水敷越流がない場合において,わんど内の中水敷高さが高くなるにつれて,浮遊砂移入速度は増大することがわかった.これは中水敷の越流水深が小さくても,堆積する浮遊砂量は比較的大きくなることを意味している.これには複断面特有の2次流の効果が関係していると推測される.高水の敷越流がある場合は,横断渦の発生によ留流れ構造の変化により堆積形状が変化することが明らかとなった.以上よりわんど内への砂堆積形状の違いがある程度説明できることが示された.また,揖斐川の掘削区間のケレップ水制背後の砂堆積は次第に増大している.
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