2005 Fiscal Year Annual Research Report
河床・河岸の状態が二次元水面変動パターンに及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
17560459
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 一郎 神戸大学, 工学部, 教授 (10127392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 昭彦 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (30237458)
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Keywords | 開水路乱流 / 可視化計測 / 水面変動 / LES |
Research Abstract |
河床や河岸の形状が水面変動に与える影響について検討するため、本年度は以下の検討を行い、いくつかの成果を得た。まず、河岸形状に関しては、都市域での親水護岸を想定した側岸凹部流れについての検討を行った。側岸凹部流れの特徴は、凹部形状のアスペクト比によって水面変動の形態が大きく変化する点にあるが、本年度は、まず、ステレオ配置したCCDカメラを用いて二次元的な水面変動の計測を行った。その結果、凹部周辺の水面には、水路幅、凹部長さなどを代表長さとするセイシュ的な変動に加えて、流速の影響を受ける別のモードの水面変動があることを確認した。この点は、二次元浅水流モデルに基づく数値シミュレーションでもある程度、確認することができた。実験値との比較検討の際には、POD解析を用い、実験結果と計算結果の二次元水面変動をモード分解することによって特徴的な変動パターンが把握できることを示した。 底面形状が水面に与える影響については、単純な形状として、斜め段落ちと孤立粗度を取り上げて検討を行った。斜め段落ちの流れにおいては、本研究で開発した高精度の画像計測手法を用いて詳細な計測を行った結果、段落ちの傾斜角度によって底面から水面につながる渦領域が生成される場合があり、それが水面形状の変形に影響を及ぼしていることを示した。孤立粗度を用いた実験では、粗度によって生じた剥離渦が粗度の下流側の水面に到達し、それが水面流速場の発散値の変化として捉えることができることを明らかにした。 シミュレーションにおいては、HSMAC法をベースとしたLESのコードを開発し、固定格子を用いて、比較的緩やかな水面変動を良好に再現できることを確認した。また、直交格子座標系において、任意の底面形状を与えることのできる境界埋め込み法についても数値モデルの開発を行った。これらの解析結果については来年度の発表を予定している。
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