Research Abstract |
昨年度に引き続き,東海北陸自動車道の美並ICから東名高速道路の岡崎ICまでを対象区間として,東海北陸自動車道経由,中央自動車道経由,東海環状自動車道経由のそれぞれの経路における車両の走行軌跡を把握するために,調査車両のフロント部分にGPSレシーバーを設置し,調査区間を走行させ,1秒ごとの車両の位置(緯度・経度)を記録した.また,車両の挙動や道路状況などを把握するために,調査車両内にデジタルビデオカメラを設置し,車両の前方を撮影した.このフローティング調査では,美並ICから15分間隔で3台の車両を流入させた.3台はそれぞれ異なる経路を選択させ,基本的に走行車線を流れに沿って走行させた. フローティング調査と同時に,対象区間の各経路を走行する車両1台ごとの旅行時間を把握するため,美並ICの下流地点,中央道の経路上,東海環状の経路上、名古屋ICの上流・下流地点,岡崎IC上流地点の6地点において,高解像度デジタルビデオカメラを使用して,各車両のナンバープレートを撮影した. 調査によって得られたGPSに記録された1秒ごとのデータを,GIS上で表現した.これによって,車両の時空間上での走行挙動のデータを整理した.ナンバープレートの情報からは,経路ごとの車両の所要時間の変動の詳細を把握することができた.これらの車両の走行軌跡データ,所要時間データ,及び別途入手した断面交通量データの基礎的な分析を進め,動的な交通流の挙動と経路選択行動の実態を把握することができた. 上記の交通実態調査で得られた車両の挙動データに基づき,対象区間における交通シミュレーションモデルを開発した.このモデルを用いることによって,インターチェンジ間の所要時間を精度良く再現できることがわかるとともに,経路選択率を変更することによって渋滞を緩和し,所要時間の増加を防ぐことが可能であることを明らかにした.
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