2006 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地水道における急速攪拌の適正化による浄水処理の改善と改善メカニズムの解明
Project/Area Number |
17560481
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Research Institution | KITAMI INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
海老江 邦雄 北見工業大学, 工学部, 教授 (10001223)
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Keywords | カオリン / 凝集剤 / 急速攪拌 / 緩速攪拌 / 凝集・微フロック形成 / 未集塊化粒子数 / 粒子アナライザ / フミン質 |
Research Abstract |
粒子アナライザ付き回分式凝集沈澱装置を主用して、緩速攪拌及び急速攪拌の適正化によるカオリン粘土及びフミン質の処理性改善に関する基礎的研究を行い、以下の知見を得た。 1)緩速攪拌のみを強化した実験から、処理水の濁度及びSTRの最低値は、硫酸アルミ使用時にはG_s・T_s値23,000〜210,000で、またPAC使用時にはG_S・T_S値300,000付近で得ることができた。それらにおける処理性は、海老江らが提唱する急速攪拌の適正化時と同程度であった。また、PACを用いて処理水の濁度とSTRとをそれぞれ0.5度以下及び2以下にするために必要な総G・T値は、160,000〜300,000程度となることを示した。 2)水温低下に伴う凝集・微フロック形成の過程を動的に調べたところ、低温になるほど集塊化安定期に到達する時間は長く、残存する未集塊化粒子個数は多くなることを確認した。集塊化安定期の出現が遅れるのは準備期が長引くためであり、水温によって進行期の長さは殆ど変わらなかった。また、集塊化安定期における残留粒子数の増加原因は、進行期の粒子集塊化速度(個数減少速度)が水温低下とともに下がるためであること、十分な総G・T値の確保がそれの大幅な低減化につながることを明らかにした。 3)フミン質の処理では、集塊化安定期に入るまで十分に急速攪拌することが最も効果あることを動的凝集実験で検証した。不十分な攪拌のもとでPAC注入率を上昇させる従来処理法を採用すれば、色度が最も低下するpH6.5でもSTRは非常に高く、ろ過池の維持管理及び多量に発生する汚泥の処理・処分に課題を残すこととなる。処理性が最も改善したG_R値は750sec^<-1>であったが、急速攪拌強度上昇の効果は僅かであった。PAC注入率とG_R値との上昇を併用すれば、STR及びろ過色度を更に低下させ得るが、肝要なことは、急速攪拌を集塊化安定期に入るまで十分に継続させることである。
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Research Products
(4 results)