2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波/電気化学複合場を利用した汚泥可溶化プロセスの創製とその応用
Project/Area Number |
17560482
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡邉 智秀 群馬大学, 工学部, 教授 (60251120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ちょう 慶鎮 群馬大学, 工学部, 助手 (60334140)
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Keywords | 汚泥可溶化 / 超音波処理 / 電気分解 / 余剰汚泥 / 汚泥減量化 |
Research Abstract |
多孔性隔壁で陽・陰極室を分割したラボスケールの槽を作製し、超音波照射-電解併用汚泥可溶化処理実験を実施して以下の知見が得られた。 1.超音波照射単独の処理に比べ、陰極室での併用処理では、可溶化速度が大幅に向上したのに対して、陽極室での併用処理では、著しく低下した。陰極室での可溶化促進は、電気分解に伴い生じるアルカリ性環境が主として作用しているが、薬品添加でアルカリ性として超音波処理した場合に比べても可溶化率は若干大きくなるため、その他の併用効果も関与している可能性が示唆された。従って、以降の実験は、陰極室での併用可溶化処理を対象とした。 2.一定の超音波照射条件下で電解の電流値を増大するに伴い、汚泥の平均可溶化速度は増大した。しかし、電流値は、pH10程度のアルカリ性が維持される程度であれば十分で、過度な通電はエネルギー消費の点から不要であることが分かった。また、一定の電解電流条件下において、400W/Lまでの平均超音波密度の範囲では、併用処理による可溶化促進効果が認められ、比エネルギー消費は超音波単独処理の半分程度まで低減される可能性が示唆された。 3.汚泥濃度が約40g/Lまでの範囲では、併用可溶化処理の比エネルギー消費は、同じ汚泥濃度かつ超音波照射密度条件での超音波単独照射処理に比べて明らかに小さく、低エネルギー消費での効率的な可溶化処理が可能であることが示された。また、初期汚泥濃度の増大に伴い、通電条件にもよるが、併用処理の比エネルギー消費は大きく低下することがわかった。 4.比エネルギー消費及び所定処理時間での可溶化率の2つの指標を用いて、種々の超音波照射と電解の組み合わせ方法を比較検討し、併用処理の前に短時間の電解等でpHを上昇させると、単に超音波照射と電解を同時に作用させる操作に比して、さらに効果的な処理が可能であることが示された。
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