2006 Fiscal Year Annual Research Report
超音波/電気化学複合場を利用した汚泥可溶化プロセスの創製とその応用
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17560482
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
渡邉 智秀 群馬大学, 工学部, 教授 (60251120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 司 群馬大学, 工学部, 講師 (80431708)
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Keywords | 汚泥可溶化 / 超音波処理 / 電気分解 / 嫌気性消化 / 余剰汚泥 / 汚泥減容化 |
Research Abstract |
1.ラボスケールの隔壁設置型可溶化処理槽を用い、異なる操作方法(超音波単独、超音波一電解併用および事前pH調整+併用)で得られた可溶化汚泥の溶解性窒素/全窒素比および溶解性りん/全りん比は、CODおよびSS基準の可溶化率とほぼ等しかった。また、溶解性CODの約6割が0.45μm以下の成分であり、その約5割がタンパク質で、約1割が炭水化物で構成されていた。さらに溶解性窒素は、概ね6〜7割が有機態であり、硝酸性とアンモニア性が残りをほぼ二分していることがわかった。これらの傾向は、操作方法によらずほぼ同様であることが見出された。 2.嫌気条件下でのメタン生成特性を指標とすると、超音波/電解併用型可溶化処理汚泥は、溶解性CODのメタン転換率が可溶化率によらずほぼ一定であった。つまり、可溶化率の増大に伴いメタン生成量が多くなるが、特に実験初期において生成速度が大きくなった。この傾向は、超音波単独処理でも同様であり、可溶化率が同程度であれば、操作の方法による相違はほとんどないと考えられた。一方、好気的分解性についてOUR試験を実施し、超音波単独処理で生成した溶解性CODに比べ、併用処理汚泥のそれは、易分解性成分割合が大きくなる傾向が認められた。 3.対象排水や方式が異なる処理施設から採取した活性汚泥や嫌気性消化汚泥の超音波/電解併用処理では、可溶化速度に大きな差異は認められず、汚泥性状によらずほぼ同様な可溶化性能が得られることが見出された。しかし、可溶化汚泥のメタン発酵性は、汚泥種により異なる可能性が示唆された。 4.超音波/電解併用型処理では、陰極室で可溶化に伴い生成した硝酸性窒素やりん酸イオンが電気泳動作用で陽極室へ移動していくことが実験:的に明らかとなり、汚泥の可溶化処理に併せた有用成分の濃縮操作への応用可能性が見出された。
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Research Products
(2 results)