2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全型護岸材の水生生物保全効果の定量評価・予測法の開発
Project/Area Number |
17560488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
関根 雅彦 山口大学, 工学部, 教授 (30163108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝位 孝二 山口大学, 工学部, 助教授 (70202570)
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Keywords | 環境保全型護岸材 / 環境選好性 / アユ / オイカワ / 護岸材評価試験装置 |
Research Abstract |
1.護岸材評価試験装置の開発 筆者らがこれまでに行ってきたU字迷路型選好性実験装置を応用し、流量を自由に変化させて種々の流況における魚の護岸材に対する選好性を評価する水路を開発した。 2.局所的な環境条件に関する選好性実験 護岸材評価試験装置の製作と並行して、護岸材などの周辺に生じる局所的な流況変化などの環境条件に関する選好性実験を実施した。今回実施したのは、構造物からの落水などにより生じる水中音に対する選好性実験および、落差部に生じる剥離流の有無に対する選好性実験である。試験魚にはアユを用いた。その結果、落水部の気泡混じりの水中音に対しては通常魚が忌避するといわれる音圧でも選好性を示したのに対し、ある種の水中音ではごく小さな音でも忌避する場合があることを見出した。また、剥離流そのものに対しての忌避性はあまりないものの、剥離流での遊泳成功率は小さくなることを見出した。これらの実験結果を用い、水中音および落差の通過能について定式化した。 3.護岸材の相対評価 護岸材評価試験装置を用いて、開口部の大きさの異なる2種類の護岸材実スケール模型を制作し、流速0、10、50cm/secでの相対評価を実施した。対象魚は日本の河川で一般的なオイカワの大型、中型、小型各2尾ずつを用いた。現在得られている結果として、流れがない状態ではブロック内に進入する魚は2割程度であったが、流速が10cm/sec、50cm/secと高まるにつれ、ブロック内に進入し、留まる魚が4割、5割と増加した。また10cmまでは開口部の大小と進入率には違いが見られなかったが、50cm/secでは開口部が小さい方に9割が留まった。 次年度は、護岸材模型の種類を増やして相対評価を重ねると同時に、ブロック内の流速その他の環境を計測し、これまでの選好性実験で得られた選好強度式との関係を解析する。また、ブロック周辺流況を数値計算するプログラムの開発を開始する。
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Research Products
(3 results)