Research Abstract |
1.目的 平成17年度及び18年度の研究では、地下水涵養における窒素やリン除去に及ぼすバイオマス添加の影響に関して、脱窒反応の有機炭素源として,稲わら、木くず、もみがら等のバイオマスを添加したカラム実験の結果、バイオマス添加は窒素・リン除去に大きな効果があることが明らかになった。除去効果が最も高いバイオマスは稲わらであった。 平成19年度の研究目的は、窒素・リン除去に最も効果の高かった稲わらに着目し,稲わら添加量と流入負荷(浸透速度)が水質改善効果に及ぼす影響を明らかにするである。 2.実験装置および方法 実験装置は,透明塩ビ製カラムで,内径80mm,高さ1500mmである。充填層の高さは900mmで,(1)標準砂のみ(コントロール),(2)標準砂+稲わら(12.5g),(3)標準砂+稲わら(25g),(4)標準砂+稲わら(50g)の充填条件で実験を行った。流入水は和歌山高専排水処理施設の放流水を使用し,流入負荷(浸透速度)は0.2m/日,0.4m/日,0.8m/日で浸透実験を行った。測定項目は,pH, TOC, NO_3-N, NO_2-N, NH_4-N, PO_4-P, DO, SS等である。 3.結果と考察 実験の結果,窒素(D-N)除去,リン(PO_4-P)除去については,稲わらの添加量が12.5g,25.0g,50.0gと増加するほど除去率は高く,浸透速度が0.2m・day^<-1>,0.4m・day^<-1>,0.8m・day^<-1>と大きくなるほど除去率が小さくなることがわかった。浸透速度02・day^<-1>における稲わら50.0g添加カラムの窒素除去率は60.2%,リン除去率は38.7%であった。また,稲わら添加の砂層での窒素除去速度はほぼ0次反応に従い,稲わら添加量と流入負荷(浸透速度)から窒素除去効果を算出する式を導出した。この成果は,日本工業用水協会「工業用水」に投稿中である。
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