2006 Fiscal Year Annual Research Report
高強度材料を用いた鉄筋コンクリート柱部材のせん断ひび割れ性状とせん断伝達特性
Project/Area Number |
17560499
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠原 保二 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50196408)
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Keywords | 高強度コンクリート / 高強度横補強筋 / せん断ひび割れ / せん断伝達特性 / 拘束効果 / 横方向プレストレス |
Research Abstract |
1.高強度コンクリートを使用した柱部材の復元力特性に関する実験 前年度までの研究により,圧縮強度が80N/mm^2を超える高強度コンクリートの場合,ひび割れ面の伝達機構が通常強度のコンクリートと異なることが明らかになった。このひび割れ面におけるせん断伝達特性の違いが部材のせん断挙動に及ぼす影響を検討するために柱部材実験を行った。断面寸法200mm×250mm,部材長さ750mm,シアスパン比1.5,主筋8-D13を共通因子とし,せん断補強筋を変動要因とした(0.19%〜1.48%)。コンクリート強度は125kN/mm^2とし,比較のため,25kN/mm^2の通常強度コンクリートも一部採用した。軸力を0とし,正負交番逆対称加力を行い,せん断補強筋量が高強度コンクリート柱の復元力特性に与える影響を考察した。さらに加力中,デジタルマイクロスコープを用いて,ひび割れ幅とすべりを計測し,横補強筋量およびコンクリート強度がせん断ひび割れ性状に及ぼす影響を明らかにした。 2.横方向プレストレスを導入した高強度RC柱部材の三次元FEM解析 前年度は高強度コンクリートに対する能動的拘束効果を検討するために,コンクリート強度に比例した横方向プレストレスを導入した高強度コンクリート柱部材の曲げせん断実験を行い,せん断ひび割れ耐力の上昇,せん断ひび割れ幅の低減,せん断ひび割れ発生後のせん断抵抗力の増大など耐久性・耐震性が向上することを明らかにした。今年度は三次元有限要素解析によって,横方向プレストレスの導入による拘束効果を積分点レベルの内部応力状態に基づいて明らかにし,せん断強度およびひび割れ挙動に及ぼす影響を考察した。実験結果との整合性を検討し,さらに,コンクリート強度の相違による破壊領域の大きさを損傷度により評価し,高強度コンクリートの寸法依存性と拘束効果に必要な補強筋量について考察した。
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Research Products
(6 results)