2007 Fiscal Year Annual Research Report
連層鉄骨ブレースで補強したRC建物の三方向地震力下での耐震性能評価
Project/Area Number |
17560515
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
北山 和宏 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 准教授 (70204922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 真司 首都大学東京, 都市環境科学研究科, リサーチ アシスタント (60381456)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 耐震補強 / 耐震性能評価 / 三方向地震力 / 連層鉄骨ブレース / 全体曲げ破壊 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
前の二年間に実施したRC平面および立体骨組に三方向力を載荷する実験の結果を統合して分析し、三方向地震力を受ける補強RC建物の耐震性能について考察した。特に立体骨組試験体において,連層鉄骨ブレースに隣接する下階壁抜け柱の軸力変動と破壊性状との関係を詳細に検討した。ただし下階壁抜け柱の軸力評価に当たっては測定結果だけで同定することはできず、用いた仮定の妥当性を更に検討すべきである。 連層鉄骨ブレースで耐震補強したRC立体骨組の実験において、鉄骨ブレース1層脚部での斜材交点直下のアンカー筋の引張りひずみが降伏直前まで進展した。これより、連層鉄骨ブレースを含むRC部分骨組が全体曲げ破壊する際には、水平せん断力だけでなく引き抜き力に対してもアンカー筋を設計する必要があることを指摘した。 3方向外力を受ける補強骨組は水平一方向外力を受ける場合と比較して保有水平耐力は10%程度低下することを実験から指摘した。その原因は二軸曲げを受けるブレース付帯柱の脚部コンクリートの早期圧壊であることを、実験結果の詳細な検討と非線形三次元有限要素(FEM)解析とによって確認した。解析ではブレース脚部のアンカー筋の抜け出し挙動を実験結果に基づいてモデル化した。FEM解析では圧縮側ブレース付帯柱の危険断面隅角部でのコンクリート圧壊が、引張り側付帯柱の全主筋が引張り降伏した頂部変形角0.25%時に発生した。水平一方向載荷したFEM解析では頂部変形角1%で付帯柱脚部コンクリートの圧壊が生じたことと比較すると、水平二方向載荷時に二軸曲げを受けるRC付帯柱の脚部コンクリート圧壊が早期に生じたと言える。
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Research Products
(4 results)