2006 Fiscal Year Annual Research Report
損傷軽減機能を有する鉄筋コンクリート造に関する研究
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17560520
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
平石 久廣 明治大学, 理工学部, 教授 (40113211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 仁之 明治大学, 理工学部, 准教授 (70130820)
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Keywords | 建築構造 / 耐震 / 構造部材 / 鉄筋コンクリート造 / 梁 / 損傷軽減 / 有開孔 / 設計指針 |
Research Abstract |
平成17年度は、梁端部のヒンジ領域における梁主筋の付着を除去する一方で、付着除去部に曲げ及びせん断に対して抵抗機構を形成しうる補助的な曲げ補強筋を配置することによって、地震時に梁端部柱面以外のひび割れ損傷を輻減させるとともに、梁主筋の付着除去部の塑性化により優れたエネルギー吸収能力を有する降伏機構分離型鉄筋コンクリート造(RC造)の梁の開発を行い、その基本的な性状を明らかにした。また、本構造においては、部材中にほとんど損傷を生じないことから通常のRC造では困難な梁端部の開孔補強方法も開発した。 平成18年度は、本構造の設計指針作成のために残された課題についての確認実験を行い、部材角2%程度までは殆ど損傷が生じず、且つ、3%を超えるような変形でも殆ど耐力低下を生じない良好な耐震性能を有する梁の構造方法および性能評価方法を明らかにした。以下に得られた確認実験の成果を示す。 ・有開孔の試験体は無開孔のものとほぼ同様の安定した履歴性状を示した。本構造における有開孔梁は無開孔梁とほぼ同等の復元力特性を有している。 ・開孔位置を付着除去区間との境界に設けた試験体は、付着除去区間内に開孔を有する試験体とほぼ同様の安定した履歴性状を示した。本構造における有開孔梁は開孔位置をスタブ境界面からD/3以上とすれば、その位置はいずれの位置に設けてもよい。 ・降伏機構分離型RC造梁と従来の通常RC造梁の初期剛性および曲げひび割れ後の剛性にはほとんど差異は見られない。本構造における梁は、曲げ戻し効果もあり、一般の梁と同様な剛性評価ができる。 ・降伏機構分離型RC造梁試験体では開孔間内法長さとして梁せいの間隔を確保すれば複数開孔を設けることによる影響はほとんど見られない。 以上の研究成果に基づき、本研究課題である損傷軽減機能を有する鉄筋コンクリート造の適用範囲、配筋方法、性能評価法などからなる梁の設計指針を作成した。
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Research Products
(6 results)