2005 Fiscal Year Annual Research Report
関西エリアにおける入力地震動モデルの策定と建築構造物の地震被害軽減に関する研究
Project/Area Number |
17560524
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
浅野 幸一郎 関西大学, 工学部, 教授 (80067644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 三四郎 関西大学, 工学部, 助教授 (40067749)
松田 敏 関西大学, 工学部, 専任講師 (60278603)
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Keywords | 地震観測 / 免震建物 / 木造建物 / 入力地震動モデル / 長周期地震動 / エネルギー応答 |
Research Abstract |
1.関西大学においてこれまでに観測された地震動記録を整理し,データベースを構築した。そして,主要な地震記録について,次のような分析を行った。 (1)岩盤と地表の観測記録の比較により表層地盤の増幅特性を評価した。 (2)免震建物における観測記録より,免震層下部(入力)-免震層上部建物(出力)の伝達関数,コヒーレンスを評価し,これに基づいて免震装置の動特性を同定した。 (3)地下階を有するRC造建物の観測記録より,構造物と地盤の動的相互作用(入力損失)を定量的に評価した。 (4)剛性が偏在するS造建物の観測記録より,水平成分の達成を考慮した伝達関数(マトリクス)を評価し,捩れ振動の性状を明らかにした。 2.長周期成分に富む2004年9月5日の東海道沖,および紀伊半島沖の地震の観測記録を拡幅して「仮想長周期地震動モデル」とみなし,これに対する免震建物の地震応答解析を行った。そして,耐震安全性と居住性の観点から指定した最大変位および最大加速度に関するクライテリアを満足するために必要とされる免震装置の性能について検討を加えた。 3.入力地震動モデルとして,高層建物や免震建物などの長周期構造物の応答評価にも適用可能なパワースペクトル密度関数モデルを新たに提案し,それに基づく確率論的なエネルギー応答評価を通して,「仮想長周期地震動」を含む各種地震動に対する適用性について検討を加えた。 4.長屋を想定した1軸偏心を有する在来軸組木造建物において,偏心軸と直交する方向の壁の多少が建物の捩れ振動を抑制する効果について,建物モデルの地震応答解析を通して検討した。 5.実大3次元震動破壊実験施設(E-Defence)において実施された京町家耐震補強震動台実験の記録の一次処理を行い,伝統木造家屋の復元力特性の評価を試みた。
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Research Products
(5 results)