2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハノイの道路交通騒音に関する社会調査と心理音響実験
Project/Area Number |
17560533
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
矢野 隆 熊本大学, 工学部, 教授 (30109673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 強 崇城大学, 情報学部, 教授 (90156109)
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Keywords | うるささ / 道路交通騒音 / ホーン音 / ベトナム / 心理音響実験 / SD評価 |
Research Abstract |
実験概要:ハノイの道路交通騒音の特徴であるホーン音の影響を調べるために、熊本とハノイでホーン音を有する音と含まない音を用いて心理音響実験を行った。 (1)音の種類:日本の道路交通騒音、ホーン音が多い、ホーン音が少ない、ホーン音を含まないハノイの道路交通騒音の4種類、(2)提示レベル:55,65,75dBLAeq、(3)継続時間:35秒、(4)実験室:無響室(熊本)、録音スタジオ(ハノイ)、(5)被験者:熊本、ハノイともに20代の男女学生各15名ずつの合計30名。(6)実験手順:12種類の音を5秒の休止期間をおいてランダムに提示し、まず11段階の数値尺度で評価させ、続いて5段階の言語尺度でうるささを評価させる。また、逆順の評価も行わせる。これらの尺度はInternational Commission on Biological Effects of Noiseの方法に則って異なる言語間で比較可能な尺度を構成したものである。したがって、日本語とベトナム語の尺度は等価であると考えている。次に12種類の音から代表的な6種類の音を選び、ラテン方格配列で提示し、以下に示す13の形容詞対で音の印象をSD評価させる。大きい-小さい、低い-甲高い、びっくりする-びっくりしない、心地よい-不快な、危険な-安全な、かたい-やわらかい、静かな-にぎやかな、明るい-暗い、目立つ-目立たない、遅い-速い、はっきりした-ぼやけた、弱い-強い、緊張した-くつろいだ。 実験結果:(1)ベトナムの被験者にはホーン音の影響はほとんどない。(2)日本の被験者はホーン音のある音をホーン音のない音よりもうるさく評価する。(3)日本の被験者はベトナムの被験者よりも道路交通騒音をうるさく評価する。(4)SD評価から日本の被験者はベトナムの被験者よりもホーン音のある音をよりネガティブに評価するが、大きさの評価にはほとんど差がない。以上の結果はベトナムでホーン音の規制等の騒音政策を考える際に、有益な示唆を与えている。
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Research Products
(6 results)