2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハノイの道路交通騒音に関する社会調査と心理音響実験
Project/Area Number |
17560533
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
矢野 隆 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30109673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 強 崇城大学, 情報学部 (90156109)
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Keywords | 道路交通騒音 / ホーン音 / うるささ / ベトナム / 異文化 / 程度表現語 / 社会調査 / 心理音響実験 |
Research Abstract |
1、道路交通騒音のうるささに関する追加実験:平成18年度にハノイの道路交通騒音の特徴であるホーン音の影響を調べるために、ベトナム人と日本人を使った異文化間の比較実験を行った。その結果、(1)ベトナム人の被験者にはホーン音の影響はほとんどない、(2)日本人の被験者はホーン音を含む道路交通騒音を含まない騒音よりもうるさく評価する、(3)日本人の被験者はベトナム人よりも道路交通騒音全般をうるさく評価することが分かった。この原因として、以下の3つの仮説が考えられた。仮説1:騒音のうるささには人々が慣れている音環境の影響が大きい。仮説2:ベトナムの被験者はすべて若い学生であり、ホーン音に対して寛大である。仮説3:うるささ評価に用いた尺度の程度表現語の強さはベトナム語の言葉が目本語よりも強い。以上の仮説を検証するために、(1)日本在住のベトナム人を使った同じ音を使った心理音響実験、(2)年配のベトナム人を使った心理音響実験、(3)ベトナム語と日本語とに精通した人々を使った日越の程度表現語の強さ評価に関する実験の3つの実験を行った。日本に在住しているベトナム人の評価結果は昨年度のベトナム人と日本人の評価結果のちょうど中間に位置し、仮説1は支持された。年配のベトナム人のうるささ評価は昨年度のベトナム人学生の結果と有意に異ならず、仮説2は棄却された。ベトナム語の尺度に使われた程度表現語は日本語よりも強かったが、昨年度の日越のうるささ評価の違いを説明することはできなかった。したがって、平成18年度の道路交通騒音のうるささに関する日本人とベトナム人のうるささ評価の違いは慣れ親しんでいる環境、すなわち社会文化的な差が影響していると結論づけられた。 2、ホーチミン市での社会調査:ベトナムでの騒音に関する社会調査データを充実させるために、ベトナム最大の都市であるホーチミン市の8地区で社会調査を実施し、約1500の回答を得た。
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Research Products
(4 results)