2005 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における空間管理から見た集落消滅プロセスに関する研究
Project/Area Number |
17560543
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 雪彦 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (80334481)
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Keywords | 農村計画 / 過疎化 / 空間管理 / 空き家管理 / 集落計画 |
Research Abstract |
まず全国の過疎地域における集落消滅の状況からと研究機関からの交通利便性より長野県下伊那郡地域を調査対象地と定めた(文献調査)。また国土地理院の地図および農水省へのヒアリング調査から消滅、限界集落のサンプリングを行った。次に上村、大鹿村、南信濃村を調査対象自治体と定め、自治体へのヒアリング調査を行うこととした。 その結果、上村では下栗集落、南信濃村では梶谷集落、大鹿村では釜沢集落を調査対象集落として抽出することとした。本年度はこのうち、梶谷集落、釜沢集落に対する悉皆ヒアリング調査を行った。調査の内容としては、転出者の属性、空き家年代、空き家経緯、転出先住所、空き家管理状況、農地管理状況、親戚付き合い等転出後の関わりを転出者毎に在村者に対して聞き取った。在村者の記憶のぶれに関しては転出者1件につき複数の在村者に聞き取りを行うことでデータの精度を高めることとした。結果としては(1)30年から40年以上前の空き家は挙家離村型が多く、それ以降は高齢化による死去・転出型が多い(2)空き家管理は概ね10年程度は行われるがその後衰退する(3)農地管理は主として在村者によって行われるため親戚の存在が存続には重要である。(4)空き家管理については、親戚、アイターン者による管理が行われていたが、行われていない場合においても、親戚付き合い等は行われていた。(5)以上より親戚、近所のネットワークをどのように支援するかが論点となる。次年度は残る下栗集落のヒアリング調査を行い3集落の比較研究を行い、学術論文としてまとめたい。
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