2007 Fiscal Year Annual Research Report
公共空間としてみた都市内中小河川の地域共同管理に関する研究
Project/Area Number |
17560546
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
浦山 益郎 Mie University, 大学院・工学研究科, 教授 (50121380)
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Keywords | 都市内河川 / 公共空間 / 地域共同管理 |
Research Abstract |
本年度は、地域共同管理が継続的に行われる条件を検討するために、沿川住民や市民団体が都市内中少河川の清掃活動に参加する条件について調査研究を行った。 前年度の調査をもとに、農業用水管理者である土地改良区と市民団体が住民に参加を働きかけながら清掃活動をしている愛知県豊橋市の牟呂用水、市民団体と地縁組織が住民に働きかけて清掃活動している静岡県三島市の源兵衛川、土地改良区が用水管理し、特に住民に働きかけていない愛知県豊川市の松原用水を抽出し、用水管理者へのヒアリングと沿川住民へのアンケート調査を実施した。その結果、土地改良区や市民団体による働きかけの有無が住民の清掃活動への参加に影響していること、清掃活動に参加した経験がある住民は用水に対する愛着の向上につながっていることがわかった。また、清掃活動へ参加経験のあるものには今後の参加意向が多いため、土地改良区や市民団体の働きかけが住民の継続的な参加につながる可能性があることが示唆された。 このように市民団体が参加の機会と場を提供することが地域共同管理の継続性につながっているので、日本河川協会に登録レた市民団体の中から東海・近畿にある480団体を対象にアンケート調査を行った。市民団体は市民サークルのほか、NPO・地縁組織・学校などである。河川の清掃活動はその約8割が行っていた。その理由は景観や生態系保全など河川環境の維持であるが、多項目選択の理由を踏まえると川に親しむという活動目的に適うことや流域の生活環境向上につながることが清掃活動に取り組む要因と考えられる。今後、活動を継続するための主要課題は資金と人耕および河川管理者である行政の理解と協力であった。以上のことから、地域共同管理を継続的に行うためには、改めて河川管理者と市民団体の連携が重要なことが明らかとなった。
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