2005 Fiscal Year Annual Research Report
都市祭礼が持つ伝統的住文化を継承する住まいづくり・まちづくりのあり方に関する研究
Project/Area Number |
17560549
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
碓田 智子 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70273000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 陽子 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (20133514)
岩間 香 摂南大学, 外国語学部, 助教授 (50258084)
増井 正哉 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40190350)
谷 直樹 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (40159025)
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Keywords | 都市祭礼 / 住文化 / 歴史的ストック / 住環境整備 / まちづくり / 都市民俗学 / 町並み保存 |
Research Abstract |
都市祭礼の伝統的住文化を継承する住まいづくり・まちづくりのあり方を検討するために、主としてつぎの調査研究を行い、一定の研究成果を得た。 1.町家および街路空間の歴史的ストックの変容が都市祭礼の住文化に与える影響について 富山県南砺市旧城端町の城端曳山祭を取り上げ、平成7年から進められてきた道路拡幅事業に伴う町家や街路空間の変容が、祭礼時の空間演出等にどのような影響を与えたのかについて研究を進めた。 (1)道路拡幅事業によって建替えられた町家では、敷地の減少によって従前の街路に面した奥行きの深い続き間座敷を維持できていないことが明らかになった。そのため、建替えされた町家では、町家の空間を巧みに利用する空間演出が特色であった御神像飾りの空間規模が縮小した。(2)道路拡幅事業終了後、慢幕や提灯を飾る家はむしろ増加したが、街路の幅員が広がったことで街路空間の演出効果は低下した。また、曳山巡行時に、座敷に屏風を飾る家が減少傾向にある。 2.都市祭礼の住文化を再生し、それを活用したまちづくり事例について 岡山県倉敷市で平成14年から開催されている倉敷屏風祭を取り上げ、町家の空間演出の実態を把握するとともに、まちづくりとの関わりについて調査を進めた。 (1)倉敷屏風祭は、昭和初期までみられた阿智神社の秋祭の際に屏風を飾る風習を今日的に復活させたものである。現地調査の結果、屏風の飾り方は古い形式に拘らず、様々なスタイルの空間演出が行われていることが明らかになった。(2)個人住宅も屏風祭に参加し、家人が観光客に屏風の解説をするなど、倉敷の町の良さを知ってもらおうとする住民の意識が窺えた。屏風祭に参加しない家も表構えに提灯を飾り、街路の空間演出に貢献していた。
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Research Products
(3 results)