2005 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的固定堰の親水空間としての可能性についての研究
Project/Area Number |
17560554
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
村上 修一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (60283652)
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Keywords | 歴史的頭首工 / 文化景観 / 行動 / 親水性 |
Research Abstract |
今年度は、京都嵐山・一の井堰の親水空間としての可能性を明らかにするために、堰および周辺の図面および測量調査を行い空間の特徴を把握するとともに、来訪者の行動観察調査を、2005年夏季、秋季、2006年冬季の平日と休日1日ずつ計6日行い利用実態を把握した。(2006年5月予定の春季調査をもって、4季8日の調査が完結する。) 6日の調査で堰両岸への来訪者計4751人の行動データを得た。来訪者の大半が写真撮影や眺望という景観資源としての利用を示した一方で、両岸から河道内の堰本体へ入込んだのは、来訪者全体の1.6%にあたる74人、そのうち51人が夏季における入込みであった。堰本体での平均滞在時間は、夏季22分、秋季6分、冬季4分と、夏季が相対的に長い。各季とも10分未満の滞在がほとんどだが、最長1時間20分の利用も認められた。 利用内容は、水辺・河川に関係する行為として、水あそび(8)、水中観察(18)など水に直接関わりをもつ行為、眺望(15)や撮影(10)という景観資源を利用する行為、堰や水門を管理する行為(13)。水辺・河川でなくてもいい行為としては、会話をはじめ様々な行為が認められた。利用される堰空間は両岸に接続する通路部分や魚道の側壁がほとんどであった一方、越流部分への入込みは、維持管理作業時にのみ認められた。 一方、高知・八田堰の現地予備調査を行い、比較対照のために来年度実施する測量調査および行動観察調査の実施計画を策定した。
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