2005 Fiscal Year Annual Research Report
民家・民家再生・民家型構法の比較からみた木造構法システムにおける伝統概念の継承
Project/Area Number |
17560562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀江 亨 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (70256832)
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Keywords | 民家 / 民家再生 / 民家型構法 / 伝統概念 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下のとおりである。 1.文献収集と情報整理および調査項目の扱い方:民家、民家再生および民家型構法について、既往の論文・言説を渉猟し、建築物に関する情報を予備的に整理した。また、調査項目である架構計画(コアフレームの規模、部材の勝ち負け等)と、空間意匠の性格(空間の開放性・可変性、主要部材の見え掛りまたは見え隠れ)を検討した結果、CADによる架構図により諸項目の関係を明確に把握できた。 2.事例調査:土着民家および民家再生の事例の分布する地域の実地調査を行った。長野県において「本棟造り」と称する民家が分布する地域に関して予備的に文献調査したのち、本棟造りの祖形とも捉えうる大鹿村の17世紀に遡る現存民家・Ki邸を詳細調査した。一方、古い「本棟造り」の再生事例である松本市・Ku邸に関しては、担当した設計事務所による再生前後の図面を閲覧し、なおかつ実地において架構部材の照合を行った。 3.架構と空間に関する考察:土着民家Ki邸と再生された民家Ku邸の現状および復原架構図をCADで作成し、建設当初の「本棟造り」の架構の特徴と変遷および再生工事により改変された架構と空間の関係を考察した。また再生民家の他の事例に関しては、担当設計事務所より設計図書等を得て、比較分析の基礎資料とした。 4.民家型構法の事例の文献調査:民家型構法の事例に関しては、遠野市の事例に関して設計事務所へのヒアリングと文献調査を行った。
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