2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ多層膜-ヘテロ磁区誘起構造を用いた極低磁場駆動磁歪素子の開発
Project/Area Number |
17560581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡崎 禎子 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10003328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
小野 俊郎 弘前大学, 理工学部, 教授 (30374812)
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Keywords | 磁歪 / バイモルフタイプ / ナノ多層膜 / 振動型アクチュエータ / マイクロデバイス / 複合材料・物性 |
Research Abstract |
1.本年度は、現有のマグネトロン・スッパター装置を用いて、Fe-30at%PdおよびFe-19at%G磁歪合金と軟磁性合金FeCoのナノ構造多層膜作製の最適条件を見つけた。Fe-30at%Pd(7,10,15nm)/FeCo(10nm)×40層/(ガラス基盤)多層膜は、基盤温度200℃、40Oeの磁場中で蒸着後、300℃、600Oe下で1時間熱処理により磁区が制御され、磁化容易方向が形成された。この多層膜は低磁場100Oeで飽和する軟磁性多層膜であることが判った。しかし、TEM観察の結果、積層された各層の膜厚はほぼ設計通りであるが、基盤上10層以上では、FeCoの結晶化が起こり、Fe-Pd層もその上に結晶化が進行しながら多層膜を形成している様子が観察された。このような結晶化を防ぐためには、より低いAr圧で蒸着を試みる必要がある。 2.さらに、ヘルムホルツコイル(DC〜100Hz,最大磁場:500Oe)を購入し、Fe-Pd(3μm)/Al(50μm)/Ni(3μm)およびFe-Ga(3μm)/カプトン膜(125μm)/Ni(3μm)バイモルフ磁歪膜の交番磁場中における変位特性を評価した。前者は50Hz、後者は55Hz付近の交番磁場に共振し、大きな変位を発現した。最大変位は1.3〜1.4mmに達した。これらの結果は、MRS.FALL.MEETING(BOSTON)で発表、現在測定結果を論文投稿中である。これらのバイモルフ磁歪膜を利用した弱磁場で駆動する振動型のマイクロデバイスを考案中である。 3.さらに、現有の電子サイクロトロン共鳴プラズマ装置にマグネトロンカソードと蒸着用ターゲットを購入し、現在整備中である。整備終了後、蒸着を開始し、磁性層を絶縁体SiO_2層で1nmの精度で挟んだ多層膜の基礎データを採取したい。
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Research Products
(6 results)