2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ多層膜-ヘテロ磁区誘起構造を用いた極低磁場駆動磁歪素子の開発
Project/Area Number |
17560581
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡崎 禎子 弘前大学, 理工学部, 教授 (10003328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部, 教授 (20133051)
小野 俊郎 弘前大学, 理工学部, 教授 (30374812)
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Keywords | 磁歪 / バイモルフタイプ / 振動型アクチュエータ素子 / マイクロバルブ / 複合膜・物性 |
Research Abstract |
1.本年度は、500 Oe以下の低磁場下で、磁気弾性力の強いセンサ・アクチュエータ素子の開発のため、正磁歪を示すFe-Ga合金の急冷凝固薄帯(146μm)に負磁歪金属Ni(14μm)をマグネトロン・スッパター装置を用いて蒸着したバイモルフ磁歪膜を作製し、その特性を調べた。幅5mm,長さ20mmの片もち梁タイプのバイモルフ磁歪膜の先端は、DC磁揚500 Oe下で、420μmの変位を発現した。特に、変位は、200 Oe以下で急激に増加し、軟磁性特性を示した。この結果は、昨年度作製したFe-Ga(3μm)/Al(50μm)/Ni(3μm)多層膜より約3倍の大きな変位を示した。この複合膜の長さを22,20,18,16,14mm短くするにつれ、500 Oe下で到達できる変位は500から300mmに減少する。次に、ヘルムホルツコイル(DC〜150Hz,最大磁場:500 Oe)を用いて、このFe-Ga/Niバイモルフ磁歪膜の交番磁揚中における変位特性を評価した。機械的共振振動数は、長い順から37、44、54、68、90Hzと変化し、これらの交番磁揚では、試料先端の変位は、大きく上下にふれ、50 Oeの極小磁場で2.0mmに達した。 2.現在、これらのバイモルフ磁歪膜をアクチュエータ素子に利用した、弱磁場で駆動できる振動型のマイクロバルブを試作中である。 3.さらに、より優れた磁歪多層膜作製の基盤研究のため、電子サイクロトロン共鳴プラズマ法を用い、磁歪合金FeCo/SiO_2およびFeCo/Siを50ナノスケールまで制御したナノ構造多層膜の作製し、膜厚に対する結晶組織と磁気特性の関係を調べた。その結果、基盤材料の違いにより、FeCoの成長は異なり、磁気特性も大きな影響を受けることが判明した。
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Research Products
(6 results)