2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ多層膜-ヘテロ磁区誘起構造を用いた極低磁場駆動磁歪素子の開発
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17560581
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡崎 禎子 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 教授 (10003328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 泰文 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20133051)
小野 俊郎 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30374812)
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Keywords | 磁歪 / バイモルフ複合箔 / アクチュエータ素子 / マイクロガスバルブ / 弱磁場駆動 |
Research Abstract |
1.本年度は、これまで開発した磁気弾性力の強いセンサ・アクチュエータ素子、正磁歪を示すFe-GaおよびFe-Pd合金の急冷凝固薄帯(120μm)に負磁歪金属Ni(50μm)をシーム溶接したバイモルフ磁歪複合膜を改良し、500Oe以下の低磁場で遠隔操作するマイクロガスバルブに応用した。試作したマイクロガスバルブのサイズは幅40mm、長さ70mm、厚さ25mmである。直径1mmの穴を通過したArガスは、長さ20mmバイモルフ磁歪素子の先端が磁場により変位し、気道を開閉することにより制御される。4種類の素子設定方法を用いることにより、ガスの差圧下5〜18kPaで50cc/minの流量を、500Oe以下の弱磁場で閉鎖することができた。逆に、磁場により気道を開けることにより、0から16cc/minまでガス量が増加し、微小な流量制御が可能となった。気道の開閉は、磁場印加時から0.2sec以内の短時間に行われ、応答性は速い。これらの結果は、2008年6月、Bremenで開催されるACTUATORO8で発表予定である。 2.次に、マイクロデバイスに直接、磁歪合金を蒸着させる技術の開発のため、磁気弾性力の強い多層膜の基礎研究を行った。超磁歪Fe-Pd(240nm)と軟磁性Fe-Ga磁歪合金(240nm)を5層重ねた多層膜は、弱磁場200Oeで飽和する軟磁性を示し、Fe-Ga単層膜のより変位が大きく、磁気弾性力の強い磁歪素子となった。 また、蒸着したFe-Ga合金の膜厚と磁歪量の関係を調べた結果、1.7μm以上の膜厚では、バルクの80%の磁歪量を発現させることができた。
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Research Products
(6 results)