2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560589
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
竹屋 浩幸 National Institute for Materials Science, 超伝導材料センター, 主席研究員 (80197342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 和人 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, グループリーダー (30354294)
戸叶 和正 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料センター, 特別研究員 (60361169)
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Keywords | 超伝導体 / リチウム / 低温物性 / 比熱 |
Research Abstract |
Li_2Pt_3Bは磁場侵入長の温度依存性から、超伝導のエネルギーギャップにラインノードをもち、スピン一重項と三重項が混成しているのではないかと期待されている物質である。そこで、同じ構造を持つLi_2Pd_3B及びLi_2Pt_3Bの物質について、比熱め磁場および温度依存性をHe-3冷凍機を用い、0.4Kまで測定した。特にLi_2Pt_3B試料については、質の依存性による検討のため複数の試料について測定を行った。その結果から超伝導電子の比熱の温度依存性を見積もるとLi_2Pd_3Bでは、準粒子がギャップ間で励起される場合に見られるほぼ完壁なexponentialで変化し、単純なs波BCS超伝導体であることがわかった。これに対し、Li_2Pt_3Bは全く異なり温度のべき乗(2乗)で変化し、超伝導エネルギーギャップにラインノードをもち、p波スピン三重項超伝導ではないかとの結果となった。Li_2Pd_3B及びLi_2Pt_3Bの違いはスピン・軌道相互作用の大きさの違いによるものと考えられる。この結果は最近のNMRのコヒーレンスピークが観測されないことや1/T_1、の温度依存性がろ以下でT^3に比例するという結果を支持している。 それでは、なぜ同じ結晶構造であり、違いはPdとPtで上記のように全くことなるのであろうか。Li_2Pd_3B及びLi_2Pt_3B両者が構造が同じなのに、なぜこのように全く異なるのかは未解明ですが、スピン軌道相互作用がPdとPtの原子番号の2乗に比例するので、(Z_<Pt>/Z_<Pd>)2≒3と大きく異なることが原因という考え方ができます。また、両者の中間組成であるLi_2(Pt_<0.5>Pd_<0.5>)_3Bの低温比熱の解析をした結果、PtがPdにより半分希釈されているにも係わらず、エネルギーギャップにラインノードがある可能性が高いことがわかりました。これは、注目すべき結果です。μSR測定では、以上の結論とは少し異なる傾向の結果が出ていますので、その原因について今後の検討が必要です。
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Research Products
(12 results)