2006 Fiscal Year Annual Research Report
高効率発光材料としてのリン光性有機遷移金属錯体の分子設計と合成
Project/Area Number |
17560609
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大井 秀一 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00241547)
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Keywords | 有機金属錯体 / 燐光発光 / 有機EL素子 / アリールピラゾール |
Research Abstract |
ルテニウム錯体を触媒として用いるオルトアリール置換フェニルピラゾール類の簡便な合成法を開発した.すなわち,N-フェニルピラゾールと様々なアリールブロマイドを触媒量の2価のルテニウム-トリフェニルホスフィン錯体と炭酸カリウムの存在下にN-メチルピロリジノン溶媒中で120度において反応させると,フェニル基のオルト位が選択的にアリール化された生成物,すなわちN-(2'-アリールフェニル)ピラゾールが高収率で生成することを見出した. 従来の報告ではC,N-キレート型フェニルピリジン白金錯体に関するリン光発光の例が多くあるが,ピラゾールなどの5員環複素環が配位した白金錯体の発光例はほとんどない.そこで,上記の方法により合成したフェニルピラゾール類を用いてビス-C,N-キレート型の白金錯体の合成法を検討した.その結果,塩化白金酸カリウム(II)と過剰量のN-フェニルピラゾールを炭酸カリウムの存在下に170〜200℃で20時間程度反応させると,目的のビス-C,N-キレート型の白金錯体が50%程度の収率で合成できることを見出した.この方法は従来法に比べ,1段階で目的生成物を簡便に合成できる点が特長である.得られた錯体は低温でリン光発光することが確認されたため,有機EL素子の試作を行ったところ,高い効率で発光することを確認した.発光波長は490nmから600nmの範囲であった. 現在,次年度に向けて,N-フェニルピラゾールと塩化イリジウム,塩化ロジウムより,対応するイリジウム錯体,ロジウム錯体の合成法を検討している.
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Research Products
(3 results)