2006 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場中X線回折測定による新規磁気冷凍材料の系統的構造特性評価
Project/Area Number |
17560610
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小山 佳一 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70302205)
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Keywords | 高磁気熱材料 / 高磁歪材料 / 磁場誘起形状記憶強磁性体 / X線回折装置 / 磁気体積効果 / 磁気冷凍 / 強磁場 / 低温 |
Research Abstract |
平成18年度は、私が所属する東北大学金属材料研究所付属強磁場超伝導材料研究センター設置の強磁場・低温X線回折装置を用いて、温度8Kから330K、磁場5テスラの範囲でNi_<50>Mn_<50-y>X_y(X=In, Sn, and Sb)を中心に研究を進めた。その結果以下のことが明らかとなった。 立方晶L2_1型構造を持つNi_<50>Mn_<50-y>X_y(X=In,)が、キュリー温度(311K)以下の224K付近でマルテンサイト変態を起こして、立方晶から他の結晶構造(低温相)に変化することを見出した。その温度ヒステリシスは約70Kであることが判った。特に興味あるのは、Ni_2MnGaと異なり、低温相の磁化が高温相(立方晶)の磁化より小さい点で、これは平成17年度に測定したX=Sn系よりも、顕著であった。本研究から決定したX=Inの低温相は、残留立方晶と2つの斜方晶から構成されていると見積もられたが、貝沼らの透過電子顕微鏡の結果と異なっており、現在検討中である。 さらに、本研究によってNi_<50>Mn_<36>Sn_<14>が磁場誘起マルテンサイト変態に伴い、約50%もの磁気抵抗効果を示すことが初めて見出した。この結果は、Ni_<50>Mn_<50-y>X_y(X=In, Sn, and Sb)系化合物が、マルテンサイト変態に伴う巨大ひずみと巨大磁気熱量効果に加え磁気抵抗効果も示す、「磁場制御マルチ機能性材料」であることを示している。
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Research Products
(4 results)