2006 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS用レジスト微小構造部材のための機械的性質評価法の開発
Project/Area Number |
17560611
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石山 千恵美 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00311663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
曽根 正人 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (30323752)
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Keywords | SU-8 / フォトレジスト / マイクロマテリアル / MEMS / 曲げ特性 / 微小材料試験機 / 露光量 / 熱処理 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に開発したSU-8微小曲げ試験片による曲げ試験評価法を用いて、実際にレジスト微小構造物の曲げ特性評価を行った。具体的には、製造条件が機械的特性に及ぼす影響に着目して、露光量及び熱処理条件を系統的に変化させたマイクロサイズSU-8曲げ試験片を作製し、その曲げ特性の変化を定量的に明らかにした。さらに、MEMSデバイスで重要な問題となっている微細構造物-基板間の接着強度評価法を開発した。 曲げ試験の結果より、露光量300mJ/cm^2で作成したSU-8微小曲げ試験片のヤング率は1.5GPa、600mJ/cm^2で1.9GPaと約3割上昇していた。また、露光量の増加に伴い、マイクロサイズSU-8部材の降伏応力は18%、曲げ強さで34%と大きく上昇していた。また、FT-IRによってエポキシ基の割合を評価したところ、露光量の増加によって低くなっていることが示唆された。これは、すなわち架橋度の増加を示していると考えられる。SU-8レジストにおいては、UV露光によって光酸発生剤(PAG)が反応を開始しこれがエポキシ基を開環させて架橋反応サイトとなり、その後のハードベークで反応サイトの架橋反応が進む。したがって露光量の増加によって架橋反応サイトが増加する、すなわち架橋度が高くなると考えられる。この架橋度の増加によって変形に対する拘束が増加して、弾性率や降伏強度、最大曲げ強さが上昇したものと推測ざれる。SU-8作製後に150℃の熱処理(ハードベーク)を行った試験片での曲げ試験結果は、約20%降伏応力が上昇し、また破断伸びが顕著に減少した。この熱処理によっても架橋度が上昇しており、これがSU-8の曲げ強度を向上させたと推測される。 さらにSU-8微小円柱試験片をSi基板上に作成することによって、MEMS用微細構造物の接着強度を評価する方法を開発した。
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Research Products
(2 results)