2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560623
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内田 裕久 Tokai University, 工学部, 教授 (20147119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原木 岳史 東海大学, 未来科学共同研究センター, 技術員 (70439735)
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Keywords | 水素 / ナノ / 水素吸蔵合金 / FeTi |
Research Abstract |
初期活性化が難しいFeTi合金の表面領域のみのナノ構造化することにより、初期活性化を容易にできる反応のメカニズムを追求することが本研究の目的である。 FeTi合金表面のナノ構造化については遊星型ボールミル装置を用いた。ナノ構造化された試料の構造確認をX線回折装置(XRD)、構造観察を透過型電子顕微鏡(TEM)、組成の確認はエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いて行った。これらの試料を用いてナノ構造化されたFeTi合金の表面汚染の影響を水素吸収反応速度の圧力依存性、温度依存性の観点から律速段階が合金表面の解離律速(n=1)から酸化被膜中の透過律速(n=0.5)へ変化する間の状態の測定を行った。 その結果、高真空条件下から低真空条件下において真空排気時間(0時間から1時間)を長くすることにより、律速段階が合金表面の解離律速(n=1)から表面被膜中の透過律速(n=0.5)への変化と共に見かけの活性化エネルギー(Ae)が増加することを確認した。 特にn=1→n=0.9では、Aeの増加が著しく、その後n=0.9→n=0.6までは一定に増加し、さらにn=0.6→n=0.5までは、著しくAeの増加が見られた。これはn=1からn=0.6へ変化するときのAeがほぼ一定に増加するLaNi5の結果に比べ、ナノ構造化されたFeTi合金の表面は、非常に汚染に弱いことを示している。 また、FeTi合金の表面汚染の影響を表面分析の観点から、走査型X線光電子分光分析装置(ESCA)を用いて表面状態変化を追及した。試料表面をArスパッタで汚染を取り除き、ターボ分子ポンプ(2x10-5Pa)にて30分真空排気した後にESCAの測定を行った結果、試料表面に酸化物が存在することを確認した。したがって、ナノ構造化されたFeTi合金の低真空条件下においての酸化被膜(表面汚染)の影響は、さらに大きいものと考えられる。
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Research Products
(6 results)