2005 Fiscal Year Annual Research Report
高性能遠心抽出分離法による電気系廃棄物からの希少金属リサイクルシステムの構築
Project/Area Number |
17560651
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永長 幸雄 福井大学, 工学部, 教授 (20020224)
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Keywords | 希少金属 / 遠心分離 / 溶媒抽出 / クロマトグラフィー / リサイクル / システム構築 / ランタン族金属イオン |
Research Abstract |
本研究では電気系廃棄物のうち蛍光体及び発光体、二次電池用ミッシュメタルからの希少金属を分離回収することを目指して、まず各種金属イオンの溶媒抽出と高性能遠心抽出クロマトグラフィーに関する基礎的研究を行って、目的成分の相互分離の可能性を検討した。さらに、製品の原材料として又は新規な有価材料へ再資源化するための様々な処理条件について考察した。今後、得られた結果を適正評価しながら、総合的なリサイクルシステムを構築することを目的として研究を進める。 ビス-2-エチルヘキシルリン酸を抽出剤とし、各種ランタン族金属イオンの溶媒抽出と遠心抽出分離の実験を行った。ヘプタンを有機溶媒として、過塩素酸溶液からランタン族金属イオンを抽出したところ、半抽出pH値は原子番号順に小さくなることがわかった。また、金属間の分離度を示す分離係数を求めた結果、Pr/NdとTb/Dy間で0.13となり、これらの金属イオンの相互分離が極めて困難であると予測できた。一方、HoやTmなどの重希土類金属イオンは低いpH溶液からでも抽出可能であるが、分離係数は0.2前後となり、比較的小さい結果を得た。しかし、過塩素酸溶液ではなくクエン酸溶液から抽出すると、二種金属イオン間の分離係数はわずかに改善できた。ランタン族金属イオンの遠心抽出分離に関しても研究を行った。これまでの研究で、金属イオン間相互分離の可否を決定する重要な因子は、移動相のpHと流速であることがわかっている。はじめに、La-Ce-Prの抽出分離で実験条件を最適化した。その結果、pH2.95及び流速0.2mL/分が最適であった。さらに、Pr-Nd, Sm-Eu, Gd-Tb-Dy間の相互分離が可能であることがわかった。金属イオン濃度が高く、注入試料体積が多いときには抽出剤濃度をさらに増加し、流速を小さくする必要があり、これらの問題解決が今後の課題のひとつである。実用可能な実験条件を継続して研究していく。
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Research Products
(2 results)