2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17560656
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
石川 信博 National Institute for Materials Science, ナノ計測センター, 主任研究員 (00370312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 隆 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ計測センター, 主任研究員 (70370319)
稲見 隆 茨城大学, 工学部, 講師 (20091853)
渡邉 義見 独立行政法人物質・材料研究機構, 名古屋工業大学工学部, 教授 (50231014)
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Keywords | 酸化アルミニウム / 二酸化ケイ素 / ウスタイト / その場観察 / 炭素蒸着 |
Research Abstract |
17年度にウスタイト(FeO)が炭素により還元される現象をTEM内でその場観察することに初めて成功し、18年度にはさらに炭素と不純物を含むウスタイトとの反応の解析に応用、19年度は酸化鉄と不純物の複合化合物に適用することを試みた。そのため固溶度のの低い酸化アルミニウム(A1_2O_3)や二酸化ケイ素(SiO_2)を添加したウスタイトを作製し、これらの試料は不純物が特定の結晶粒に偏析してウスタイトとの複合化合物を作り、母相ではごくわずかしか固溶していなかった。これらの試料とその表面に炭素を蒸着して、炭素の反応を873K〜1073Kの間の温度域で観察した。両者とも母相の不純物のTEM-EDSによる定量分析では不純物のピークは確認できるものの、その濃度はおよそ0.5%以下とほぼ検出限界に近い量であった。この母相と不純物偏析部分の炭素との反応の差異を観察した。その結果母相と炭素の界面では不純物を含まないウスタイトと同様に活発に炭素と反応し、鉄原子が炭素側に侵入した。一方不純物偏析部分では1073K以下の範囲ではほとんど炭素と反応せず、CaOを添加したウスタイトの場合と類似の結果が出たとなり、Ca、Al、Siいずれも大量に含む場合は反応を抑制する結果となった。TEMでは非常に小さな試料を扱い、真空に近い条件での観察になるためCOなどのガスが排気されてあまり反応に寄与しないと予測される。従って固体炭素独特の傾向とも解釈できるが、酸化アルミニウムや二酸化ケイ素は代表的な脈席成分のひとつであり、今後純度の低い鉄鉱石を使わなければならない状況になった場合は単に鉄の含有量だけでなく化学的な反応過程への影響を考慮して操業条件を検討する必要があるものと考えられる。
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Research Products
(5 results)