2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ乳酸系高分子界面活性剤の機能重畳化による超機能性ナノカプセルの創製
Project/Area Number |
17560660
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北村 吉朗 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90032945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 秀和 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (20244262)
西野 悟 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助手 (20413817)
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Keywords | ナノカプセル / 生分解性高分子 / ポリ乳酸 / 高分子界面活性剤 / コロイド / ドラッグデリバリーシステム / 高分子微粒子 / 界面化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ナノサイズのマイクロカプセル(ナノカプセル)調製における分散やナノカプセルの徐放特性に大きく影響する内部構造や表面物性の制御を可能とする新規な生分解性高分子界面活性剤の合成を行い,超機能性を呈するナノカプセル創製に向けたそれらの制御技術確立のための指針を提示することにある。 そこで今年度は主として,Poly(ethyleneoxide monooleate)(MOPEO)を開始剤とし,ラクチドの開環重合によるMOPEO-PLAの合成およびコロイド化学的検討を実施した。 MOPEO-PLAの重量平均分子量に及ぼす開始剤(MOPEO)濃度の影響に関する結果から,開始剤濃度の調節によってMOPEO-PLAの重量平均分子量を制御できることがわかった。また^1H-NMR測定の結果から,目的物質であると同定でき,さらに,MOPEO-PLA分子内の2重結合の存在が確認された。MOPEO-PLAを溶解させたトルエン溶液と水との界面張力をウィルヘルミー法により測定したところ,トルエン中のMOPEO-PLA濃度の増加に伴い,界面張力は減少した。この結果から,MOPEO-PLAは界面活性能を有していることが分かった。さらに,水面展開法によって調製したMOPEO-PLAとPLAのブレンドフィルムの接触角測定から,ブレンドフイルムの水面側の接触角はフィルム中のMOPEO-PLA濃度の増加に伴い減少した。この結果から,ブレンドフィルム表面がより親水性になっており,親水性PEO鎖が水面側のブレンドフィルム表面に選択的に集積することを明らかにした。
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