2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポリ乳酸系高分子界面活性剤の機能重畳化による超機能性ナノカプセルの創製
Project/Area Number |
17560660
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北村 吉朗 岡山大学, 名誉教授 (90032945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 秀和 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (20244262)
西野 悟 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助手 (20413817)
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Keywords | ナノカプセル / 生分解性高分子 / ポリ乳酸 / 高分子界面活性剤 / コロイド / ドラッグデリバリーシステム / 高分子微粒子 / 界面化学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ナノサイズのマイクロカプセル(ナノカプセル)調製における分散やナノカプセルの徐放特性に大きく影響する内部構造や表面物性の制御を可能とする新規な生分解性高分子界面活性剤の合成を行い,超機能性を呈するナノカプセル創製に向けたそれらの制御技術確立のための指針を提示することにある。 そこで今年度は,昨年度合成に成功し、そのコロイド化学特性を評価したところ、優れた界面活性能を示したMOPEO-PLA(Poly(D,L-lactide-block-ethyleneoxide monooleate)を用い、マイクロカプセル表面形態や制癌剤徐放特性に及ぼすMOPEO-PLAの影響やMOPEO-PLAの自己組織化挙動を利用したボトムアップ方式によるナノカプセルの創製を手がけた。 その結果、MOPEO-PLAを添加した制癌剤内包マイクロカプセルの調製では、マトリックスであるPLAとCPTとの間の相互作用に起因し表面形態を制御できることを明らかにした。また、この機構に準拠し、平滑な表面を有するマイクロカプセルの調製に成功した。制癌剤の徐放特性について検討した結果、MOPEO-PLA添加量の影響は大きく、適正に添加すれば徐放初期の初期バーストを抑制できた。一方、MOPEO-PLAは油溶性高分子界面活性剤であり、有機溶媒中でナノカプセルを自発的に形成すると考えられる。このナノカプセル形成特性を、水の抽出挙動を詳細に検討した。その結果、有機溶媒中で極微小な親水的空間を供与することができ、タンパク質をナノカプセル内に可溶化することができることを明らかにした。
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