2005 Fiscal Year Annual Research Report
膜ろ過法によるナノマテリアルのサイズ分離に関する基礎研究
Project/Area Number |
17560669
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻川 浩雄 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (60010807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 重俊 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (20333156)
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Keywords | 膜ろ過法 / ナノ粒子 / ファウリング / 振動ろ過法 / サイズ分離 / リン脂質ポリマー |
Research Abstract |
本研究では,膜ろ過法によるナノマテリアルの分離精製,特にサイズ分離に不可欠な三つの基礎技術を確立することを目的としている.本年度は,(1)細孔を閉塞させることなく細孔より小さな粒子を透過させる膜の表面処理技術の開発,(2)膜表面への粒子堆積を抑制するろ過装置の開発,(3)ろ過条件が粒子の透過性に及ぼす影響の検討を行った.その結果,それぞれの項目に対して以下の成果が得られた. (1):セラミック製管状膜を用いてリン脂質ポリマー処理膜を開発した.クロスフローろ過装置により透過試験を行ったところ,タンパク質やポリスチレンラテックス粒子に対する耐汚染性に優れた膜であることが確認された.また,分子量が異なる多糖類を利用した透過試験により,表面処理条件による細孔制御に関する知見が得られた.粒子径が異なるポリスチレンラテックス粒子混合系に対して透過試験を試みたところ,最適なろ過条件の確立がサイズ分離を行うための課題となった. (2):膜表面における粒子堆積層の形成を抑制するため,上記セラミック製管状膜が試験できる振動ろ過装置の開発に着手した.管状膜内部に振動素子を挿入する構造のため,液漏れ対策等を考慮して装置の改良を進めている. (3):直円筒状の細孔を持つポリカーボネート膜をモデル膜としてセレン化カドミウム(CdSe)粒子の透過性に対するろ過条件(圧力,細孔径,液性状)の影響を検討した.その結果,粒子の透過性が低いことが問題となり,凝集体の処理と膜-粒子間の相互作用制御が重要であることが明らかとなった.
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