2005 Fiscal Year Annual Research Report
アイステンプレート法による環境浄化用光触媒モジュールの開発
Project/Area Number |
17560674
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向井 紳 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70243045)
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Keywords | ゾル-ゲル法 / 一方向凍結法 / 凍結ゲル化法 / アイステンプレート法 / チタニア / チタニア-シリカ / 光触媒 |
Research Abstract |
湿潤ゲルを方向性を持たせて凍結することで繊維状のシリカゲルが製造可能であることは知られている(一方向凍結法)。この方法は専ら構造がしっかりした湿潤ゲルにのみ適用されてきたが、通常ゲル化しないような希薄なゾルでも凍結することでゲル化が可能であることを考えると(凍結ゲル化法)、柔らかい湿潤ゲルやゾルにも一方向凍結法が適用可能であると考えられる。このように適用範囲を広げることで繊維状に加え、他のマイクロ形状を有するシリカゲルが得られるものと考えられる。このような着想に基づき「アイステンプレート法」を提案し、研究を実施している。その結果、現在までに繊維状に加え、薄膜状、マイクロハニカム状の多孔体の作製が可能であることを見出した。さらに、凍結時に発現する形状は主にゾルを調製してから凍結するまでの経過時間によって簡単に調節が可能であることも分かった。よって本法は今まで困難であった多孔体のμmレベルの成型を可能とする新規な成型法としての利用が期待される。 本研究ではこの「アイステンプレート法」を利用して、高効率な環境浄化が可能なチタニア系光触媒のモジュールの開発を目指している。本年度はまずモジュールの心臓部となる光触媒能を有するチタニア系材料のマイクロ繊維、マイクロハニカムの作製法の開発を目指した。その結果、透析操作によって合成したチタニア湿潤ゲルにアイステンプレート法を適用することで、チタニアのマイクロ繊維の作製に、また2段ゲル化法によって合成したチタニア-シリカ複合湿潤ゲルにアイステンプレート法を適用することで繊維状よりさらに高度な反応操作が期待できる、チタニア-シリカマイクロハニカムの作製に成功した。両材料ともモジュールで利用するのに十分な光触媒能を有している。
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