2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント法を用いた蛋白質のリフォールディングおよび耐熱化システムの構築
Project/Area Number |
17560692
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
春木 満 日本大学, 工学部, 助教授 (30273593)
|
Keywords | 分子インプリント法 / リフォールディング / 組換え蛋白質生産 / Lysozyme / 蛋白質耐熱化 |
Research Abstract |
当該研究では,分子インプリント法を応用して,蛋白質のリフォールディングの促進および耐熱化蛋白質のセレクションを行うことを目的とする。今年度は,Lysozymeに対する分子インプリンティングポリマー(MIP)の作成を行い,Lysozymeのリフォールディング促進効果を解析した。3-Amino-phenylboronicacid (APBA)100mMを含むリン酸緩衝溶液(pH 5.0)にLysozymeを溶解し,Lysozyme/APBA混合溶液を調製した。この混合溶液にスチレンビーズ200mg,過硫酸アンモニウム溶液50mMをそれぞれ加えて重合させ,その後,10mM塩酸で洗浄しMIPを作成した。MIPにLysozyme溶液を加え,重合条件(Lysozyme濃度)が異なるMIPへのLysozymeの特異的結合を,抗Lysozyme抗体を用いたELISA法により解析した。Lysozymeを加えず重合したMIPでは,MIP量が増加しても基質の発色には変化が見られず,Lysozymeは結合していないと考えられる。これに対し,Lysozymeを加えて重合したMIPではMIP量の増加に伴い基質の発色も増加した。従って,これらのMIPにはLysozymeが特異的に結合していると考えられる。そこで,このMIPを用いて,尿素変性したLysozymeのリフォールディングに対する効果を解析した。その結果,MIPを加えない場合よりLysozymeのリフォールディング効率は低下してしまった。その原因として,変性したLysozymeがMIPの疎水性の部分に結合した可能性が考えられる。今後は界面活性剤により変性したLysozymeのMIPへの結合を防いだり,より親水性のMIPを作成してリフォールディングを試みる予定である。
|