2007 Fiscal Year Annual Research Report
BRMの新しい研修法提案と研修効果の評価を機軸としたIMO勧告へのフィードバック
Project/Area Number |
17560707
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 欣三 Kobe University, 大学院・海事科学研究科, 教授 (00031477)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 博行 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (50162681)
石田 紀久 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (40379342)
内田 誠 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (90176694)
臼井 英夫 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (60232831)
世良 亘 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (20294259)
|
Keywords | 海上安全 / 危機管理 / 教育工学 / 行動学 |
Research Abstract |
BRM研修は、船橋に勤務する船舶の乗組員間に存在する権威勾配の弊害をなくし、船舶乗組員が良好なコミュニケーションとチーム力を通じてエラーの発生を抑制ならびに発生後のエラー連鎖を断ち切るための連携行動の必要性を理解し、身に着け、そして、海難事故を未然に防ぐための意識改革研修である。平成19年度は、これを船橋や機関室など職場、職域に共通するチームリソースマネジメント(TRM)として拡張し、研修法の提案ならびに意職改革効果の定量評価の実施を研究目標におき、新たに設計した研修方法および開発した評価手法の妥当性を検証した。 新たに設計・開発・実施した神戸大学版TRM(Team Resource Management)研修は、ヒューマンファクターに基づくエラーをいかに管理するかに焦点をあてた研修である。組織における安全管理をチーム力により向上させる考えは職務種類の如何に関わらず共通しているとの認識のもと、海上でも、陸上でも、また、現場で働く者にも組織管理に当たる者にも、誰にでも共通する根幹思想を総合化、体系化したもので、チーム力による問題解決に主眼をおき、ヒューマンエラーの発生防止に備えるためのハザードマネジメント(Hazard Management)と生じたエラーを事故に結び付けないためのエラーマネジメント(Error Management)からなり、≪知識獲得・意識改革≫を目標とした講義主体の研修となっている。 新たに設計・開発・実施したTRM研修の効果の定量的評価については、(1)アンケート方式による研修受講前後における意識の変化に関する調査、(2)TRM意職の行動実践への反映調査、(3)時間経過に伴うTRM意識の持続に関する調査、を対象に調査方式を確立した。そして、これらの評価データを分析して新たに設計した研修方法及び開発した評価手法の妥当性を検証した。最終的な研究成果の一部は「国際海事大学連合」(International Association of Maritime Universities,IAMU:世界の海事系大学の連合組織体,IMOのNGO組織)を通じて公表した。
|
Research Products
(2 results)