2006 Fiscal Year Annual Research Report
4000m水深科学掘削用CFRP製ライザー管の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
17560711
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
渡辺 喜保 東海大学, 海洋学部, 教授 (20384935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 英之 東京大学, 工学系研究科, 教授 (00196859)
田村 謙吉 (独)海上技術安全研究所, 運航システム部門, 部門長 (50373428)
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Keywords | CFRP製ライザー管 / 継手構造 / 4000m水深科学掘削 / 有限要素法解析 / 最適化 / 模型実験 / 引張強度 / 破壊プロセス |
Research Abstract |
地球深部探査船「ちきゅう」が建造され、近い将来、マントルを採取するために、水深4000mにおける探海底の科学掘削が予定されている。しかしながら水深4000mという深海では、鋼製ライザー管の使用は不可能に近く、CFRP製ライザー管の開発が望まれる。 本研究では、CFRP製の管本体とその両端に位置する鋼性コネクターが機械的に結合する継手構造を有するCFRP製ライザー管を開発対象とする。 昨年度の研究では、CFRP製管と鋼製コネクターとの継手部の形状、寸法等をパラメトリックに変化させた有限要素法解析を行うことにより、継手構造の最適形状を求めた。また、CFRP製ライザー管の軸方向振動特性の検討を行い、4000m水深用CFRP製ライザー管は掘削船の上下揺れと共振しないことを確認した。 本年度の研究では、昨年度の最適化の手法を用い最適化された、実機ライザー管の約1/5の縮尺の継手構造実験模型2体を製作した。実験では、1体目の模型実験を終了した時点で、試験機の損傷の発生が見つかり、損傷修理に時間がかかるため、2体目の模型実験は断念せざるを得なかった。終了した模型実験では、継手構造部が破断するまでの引張実験を実施し、実験模型の引張強度、伸びおよび歪を計測した。さらに、実験後、実験模型を解体し、CFRP層断面の亀裂等を観察することにより、継手構造部が破壊するまでのプロセスを推定した。また、実験模型について、亀裂の発生と進展を考慮した有限要素法解析を行い、解析結果と実験による伸びおよび歪の計測結果を比較し、継手構造部の破壊までのプロセスおよびメカニズムを明確にした。 研究の総括として、昨年度および本年度の研究成果を基礎にし、4000m水深科学掘削用CFRPライザー管の設計の考え方および今後の課題をまとめた。
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Research Products
(3 results)